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詩境
「詩境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詩境の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
尊《たっ》とい。吾人の性情を瞬刻に陶冶《とうや》して醇乎《じゅんこ》として醇なる
詩境に入らしむるのは自然である。 恋はうつくしかろ、孝もうつくしかろ、忠君愛国....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
学としてしまっている。吾人は俳句の長所を認め、その世界的に特色しているユニックな
詩境を認めるけれども、これによって新日本の文明と芸術とが、いつも伝統の中に彷徨《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ながめて見ると、人は去り、山河は残るという懐《おも》いが、詩人ならぬ人をまでも、
詩境に誘い易いのであります。 こういう弱い心を鞭打つには、こういう静かなところ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
なぞと、ふだんの私なら思いつくはずもない美辞麗句がおのずからに湧きおこる。これを
詩境というのかも知れない。 自分の借金の言訳はとてもこう快適にできるものではな....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
にいたって、僕は漸《ようや》く芭蕉や一茶《いっさ》の句を理解し、その特殊な妙味や
詩境に会得《えとく》を持つようになったけれども、従来の僕にとって、芭蕉らの句は全....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
それは本質において閑適の詩人であった。というよりは世を見限ることによって、一つの
詩境を建立した人々だといった方が、なおよいかも知れない。俊成も本来そういう歌人の....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
は奇警にも奔らず、さりとてまた常套にも堕せずして、必ず各自の実験の間から、直接に
詩境を求めさせていたところに新鮮味があった。是が世の中の変り目の強い刺戟であった....