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「詩想〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

詩想の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年の悲哀」より 著者:国木田独歩
知恵は今よりも進んでいたかわりに、僕の心はヲーズヲース一巻より高遠にして清新なる詩想を受用しうることができなかっただろうと信ずる。 僕は野山を駆け暮らして、わ....
余が翻訳の標準」より 著者:二葉亭四迷
せなければならぬとように信じたのである。 併し乍ら、元来文章の形は自ら其の人の詩想に依って異なるので、ツルゲーネフにはツルゲーネフの文体があり、トルストイには....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
を左右に見て誰も通らない真中をただ一人歩かなくってはならん。よもやこの人々が余の詩想を洞見《どうけん》しはしまいが、たださえ人の注視をわれ一人に集めて往来を練《....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は再び逆転してしまったのだった。 「実は、その――貴女にとって不運なお化が、僕に詩想を作ってくれました。これがもし春ならば、あの辺は花粉と匂いの海でしょう。しか....
ニイチェに就いての雑感」より 著者:萩原朔太郎
を書くに適しなかつた為もあらうが、実にはこの形式の表現が、彼のユニイクな直覚的の詩想や哲学と適応して居り、それが唯一最善の方法であつたからである。アフォリズムと....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
此処《ここ》に達するのが自然である。 象徴派はまた、高蹈派に対する反動として、詩想の朦朧《もうろう》としたものを愛し、判然明白なものを嫌った。(その判然明白は....
『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
向上の努力そのものの表現であり得ることさえ理解されるのである。 永瀬さんが益々詩想をすこやかにゆたかにして、時流の観念化に押しながされず、安易な象徴にかがまず....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 後向きになっていた美しい肉体、その肉体から来るあらゆる米友としての幻想や、詩想が、僅かに向きを変えたその瞬間に、刎《は》ね飛ばされたと言おうか、蹴散らされ....
小春」より 著者:国木田独歩
ある。かの地において自分は教師というよりもむしろ生徒であった、ウォーズウォルスの詩想に導かれて自然を学ぶところの生徒であった。なるほど七年は経過した。しかし自分....
三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
木哲学への構想の断片が織り込まれているが、それらの哲学的構想の断片は、また哲学的詩想と呼ばれても宜しいものである。 三木が持っていた人情への理解、芸術への理解....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
でいるのである。古来、日本の歌人や俳人やは、漢詩から多くの者を学んでおり、漢詩の詩想を自家に飜案化している人が非常に多い。しかし漢詩の本質的風格とも言うべき、あ....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
じ題が出ては前の募集句を見ておかねば剽窃の煩いあり、また同じ題ばかりでは投書家の詩想広くならぬ憂あり。 また壱号の題に千鳥、時雨という動物天文ありて今度もまた....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
漢書は蕪村の愛読せしところ、その詩を解すること深く、芭蕉がきわめておぼろに杜甫の詩想を認めしとは異なりしなるべし。 絵画の上よりいうも蕪村は衰運の極に生まれて....