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詩的
「詩的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詩的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
難であるかを弁《べん》じ出した。弁じ出したばかりではない。彼の生来《せいらい》の
詩的情熱は見る見るまたそれを誇張し出した。日本の戯曲家《ぎきょくか》や小説家は、....
「河童」より 著者:芥川竜之介
は必ずしもこう言ったことではない。むしろ彼の天才に、――彼の生活を維持するに足る
詩的天才に信頼したために胃袋の一語を忘れたことである。(この章にもやはりクラバッ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
れた銘があった。目次を見ると、藤沢の「鳶色《とびいろ》の薔薇《ばら》」と云う抒情
詩的の戯曲を筆頭に、近藤のロップス論とか、花房《はなぶさ》のアナクレオンの飜訳と....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
も卒直にこう云う事実を語るものはない。
恋愛
恋愛は唯《ただ》性慾の
詩的表現を受けたものである。少くとも
詩的表現を受けない性慾は恋愛と呼ぶに価いしな....
「或る女」より 著者:有島武郎
く葉子は愛子の目を見て不快に思った。大多数の男はあんな目で見られると、この上なく
詩的な霊的な一瞥《いちべつ》を受け取ったようにも思うのだろう。そんな事さえ素早《....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
て美味いと云うより、見たばかりでもう何となくなつかしい。第一言い伝えの話が非常に
詩的だし、期節はすがすがしい若葉の時だし、拵えようと云い、見た風と云い、素朴の人....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
挙にあり」云々の信号を掲げたということはおそらくはいかなる戦争文学よりもいっそう
詩的な出来事だったであろう。しかし僕は十年ののち、海軍機関学校の理髪師に頭を刈っ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、 天の高きに坐す――否恐らく「彼」ですら知らないであろう。 この深きに徹した
詩的の記述は本来原始民の口碑という部類に属すべきものではなく、むしろ甚だ高い発達....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
型はなくなりましたね。たとえば青踏時代の様に。 一平 つまり今の新しい女はそんな
詩的な概念でなく、もっと実質的に入ったんだろう。 かの子
詩的概念を表現する様に....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
いが強烈なことであろう。無論彼も独一の神につきて説いて居る。 が、それは極度に
詩的空想に彩色れたもので、エゼキールの隠喩的筆法とは格段の相違がある。同様にダニ....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
一、佐藤春夫は詩人なり、何よりも先に詩人なり。或は誰よりも先にと云えるかも知れず。 二、されば作品の特色もその
詩的なる点にあり。詩を求めずして佐藤の作品を読むものは、猶|南瓜を食わんとして蒟....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
を言うけれど、其平生の趣味好尚如何と見ると、実に浅薄下劣寧ろ気の毒な位である、純
詩的な純趣味的な、茶の湯が今日行われないは、穴勝無理でない、当世人士の趣味と、茶....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
私たちに取って春が来るくらい気を滅入らせるものはありません。春になると空や大地は
詩的にも経済的にも私たちには赤裸にされてしまって余韻のないものになってしまうので....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
一夜。私はツルゲネフの『猟人日記』を思いうかべつつ、再び遭うことの難かるべきこの
詩的の一夜を、楽しく過さん手段を考えた。 窓近くに鹿が鳴いたら嬉しかろう。係蹄....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
治時代――或いは明治時代以前の人々はこれ等の怪物を目撃する程この町中を流れる川に
詩的恐怖を持っていたのであろう。 『今ではもう河童もいないでしょう。』 『こう泥....