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詩稿
「詩稿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詩稿の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
詩?」
やはり少しも騒がないマッグは髪を逆立《さかだ》てたクラバックにトックの
詩稿を渡しました。クラバックはあたりには目もやらずに熱心にその
詩稿を読み出しまし....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
ば、こう云う詩はたとい一行《いちぎょう》でも、書く事が出来ないに違いない。趙生は
詩稿を王生に返すと、狡猾《こうかつ》そうにちらりと相手を見ながら、
「君の鶯鶯《....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
活が、やがて彼女の歔欷の詩であり、酷い運命の行進曲であった。 彼女の持ち込んだ
詩稿のなかにはすでに印刷されているものも沢山あったが、庸三はその一つ二つを読んで....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ましょう。とにかく行くところまで行きます。私の妻であり夫であるたった一ツの真黄な
詩稿を持って、裏日本へ行って来ます。お体を大切に、さようなら――。
フッツリ....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
、やや久しく勤めていたが、終に厭倦を生じて罷めたのである。 温の机の上に玄機の
詩稿があった。李はそれを見て歎称した。そしてどんな女かと云った。温は三年前から詩....
「小泉八雲秘稿画本「妖魔詩話」」より 著者:寺田寅彦
かえっておもしろいかもしれないのである。 複製原稿で最もおもしろいと思うのは、
詩稿のわきに描き添えられたいろいろの化け物のスケッチであろう。それが実にうまい絵....
「文学的自叙伝」より 著者:林芙美子
には一度も自分の小説は持参しなかったけれども、転々と持ちあるいて黄色くなった私の
詩稿を先生にお見せした事があります。(これはまるでつくりごとのようだけれども)私....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
》知れぬ幸《さち》を占うことなかれ……沢子がなおした詩句を口の中で繰返しながら、
詩稿を一つ一つ眺めてみた。三文の価値もない自分の残骸がごろごろ転ってる気がした。....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
ちかばちか行くところまで行きます、私の妻であり夫である、たった一ツの信ずる真黄な
詩稿を持って、裏日本へ行って来ます。お体を大切に、さよなら――。 ――あなた。....
「わが青春」より 著者:三木清
一 去年の暮、ふと思い付いて昔の
詩稿を探していたら「語られざる哲学」と題するふるい原稿が見付かった。百五十枚ばか....
「装幀の悩み」より 著者:山之口貘
から出すことになったのである。ぼくは、機会さえあればいつでも出版出来るようにと、
詩稿の整理をしてあったので、それに、佐藤春夫氏の序詩と、金子光晴氏の文を添えて、....
「野宿」より 著者:山之口貘
り調べの結果、主義者でないことがわかったらしく、テーブルの上に展げて見せたぼくの
詩稿をまとめて返しながらそのように云った。そして、 「詩人もこのごろ頭の毛を伸ば....