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詫び入る
「詫び入る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詫び入るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
より細々と見えるのに、襟足がのぞかれるまで顔を重く伏せていた。眼上のものに心から
詫び入る姿のように。かと思うと死ぬほどの口惜しさをじっと堪らえる形のように。園に....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
其の方も、何うか言葉を添えて呉れ」真に叔父の言葉は秀子に対し、子を愛する様な愛と
詫び入る人の誠心《まごころ》とを籠めて居る。
叔父が此の様に云うて秀子の手を取....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
「恐れ入りまする――かかる痴《おろ》かしきすがたを御覧に入れまして――」
と、
詫び入るように言うと、
「まず、立ちなさい。さ、立ちなさい」
と、手を取るよう....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
狂い走って猟師が鴈網を張ったのに触れ鴈ことごとく飛んでしまう。猟師にまた打たれて
詫び入ると徐《しず》かに這って行けという。這って行く途中に洗濯屋あり、これはてっ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いう、疑は解けんですか。」 「はい、お恥かしゅう存じます。」と手を支いて、誰にか
詫び入る、そのいじらしさ。 眼を閉じたが、しばらくして、 「恐るべきです、恐る....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
っぱりお子様達のお世話をさせて頂きたいと存じますのですが……」と、細々した声で、
詫び入ると夫人はさも面白そうに、陽気な表情で、ながめながら、 「南條さん、貴女、....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
で使いました。まことに申し訳ありません、お許し下さい』そして畳に頭をこすりつけて
詫び入るのでした。 これを聞いた私たちは叱るどころか、正直なその告白に非常に感....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ことばに、 「いやもう、ご潔白は分りました。お疑い申した罪は、ご勘弁ねがいたい」
詫び入るので、権之助も間が悪くなって、 「おれも良くなかった。もっとそっちの用向....
「三国志」より 著者:吉川英治
すなっ。ためらう奴は同罪に処すぞ!」 怒りにふるえ、猛りに猛って、周瑜の耳は、
詫び入る諸将のことばなど、まるで受けつけなかった。 「一打! 二打 三打!」 ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
不躾な所業。何かおふくみあっての事か」 すると半兵衛重治は、すこし膝を退げて、
詫び入る体で静かに諭した。 「ご賢明なあなたのことゆえ、すぐお悟りがつこうと存じ....