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詫
「詫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
勝ちだった。重吉は勿論とり合わなかった。お鈴はそれを気の毒に思い、時々母の代りに
詫《わ》びたりした。しかし彼は苦笑したぎり、「お前までヒステリイになっては困る」....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
不孝の罪は勘忍して下さい。わたしは二年以前の雪の夜《よる》、勘当《かんどう》の御
詫《おわ》びがしたいばかりに、そっと家《うち》へ忍《しの》んで行きました。昼間は....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の罵る声が、またいかめしく響き渡って、
「命が惜しくば、その方どもも天上皇帝に御
詫《おわび》申せ。さもない時は立ちどころに、護法百万の聖衆《しょうじゅ》たちは、....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
吉を不良少年と思っていそうである。一そ「しまった」と思った時に無躾《ぶしつけ》を
詫《わ》びてしまえば好《よ》かった。そう云うことにも気づかなかったと云うのは……....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
うことがございました。試合の前日でございまする。数馬は突然わたくしに先刻の無礼を
詫《わ》びました。しかし先刻の無礼と申すのは一体何のことなのか、とんとわからぬの....
「星座」より 著者:有島武郎
より細々と見えるのに、襟足がのぞかれるまで顔を重く伏せていた。眼上のものに心から
詫び入る姿のように。かと思うと死ぬほどの口惜しさをじっと堪らえる形のように。園に....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
ながら、八っちゃんをなだめたり、僕に何んだか小言をいい続けていたが僕がどうしても
詫ってやらなかったら、とうとう 「それじゃよう御座んす。八っちゃんあとで婆やがお....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
りで言ったんですが、真に失礼。」 と真面目に謝罪って、 「失礼ついでに、またお
詫をします気で伺いますが、貴女もし静岡で、河野さん、と云うのを御存じではございま....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
その時始めて解かれたのだ。クララはフランシスの明察を何んと感謝していいのか、どう
詫びねばならぬかを知らなかった。狂気のような自分の泣き声ばかりがクララの耳にやや....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
人物に対して、傍の見る目は寧ろ気の毒なほどであった。 一も二もない、したたかに
詫びて、その革鞄の口を開くので、事は決着するに相違あるまい。 我も人も、しかあ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
で気がつけば青森へ着いてからでも御沙汰は同じだものを、ちっとでも里数の少い方がお
詫がしいいだろうでもって、馬鹿さが堪らない。お前さん、あたふた、次の駅で下りまし....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
せた。 「大目玉を頂きましたよ、先生に。」 「もうどうぞ、ご堪忍。」 「いや、お
詫びは私こそ、いわばやっぱりあなたの罰です。その「浅ましい」一つの穴で……部屋は....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いう、疑は解けんですか。」 「はい、お恥かしゅう存じます。」と手を支いて、誰にか
詫び入る、そのいじらしさ。 眼を閉じたが、しばらくして、 「恐るべきです、恐る....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の希望を容れないで、勝手な名前をつけさせて大へんに済まなかった。』と良人は丁寧に
詫びました。その外さまざまの事がありますが、就中良人が非常に驚きましたのは私の竜....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
に滝田さんに見せると、之はひどいと云って夏目先生に詰問したので、先生が滝田さんに
詫びの手紙を出された話があります。当時夏目先生の面会日は木曜だったので、私達は昼....