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詮議立て
「詮議立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詮議立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
答えました――その意味合いが解《げ》せないので、そこに居合わせた人々が、とかくの
詮議立てをして居りますと、それを御聞きになった若殿様が、御持ちになった扇の裏へさ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
えて、これもにやにやと笑い出した。 「なんの、珍しゅうもない。そんなことを一いち
詮議立てしたら、今夜はそこらに幾人の科人《とがにん》ができようも知れぬ」と、平安....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
にござりまするな。念のために一見致しましょうか」 「おお、参ってみようぞ。要らぬ
詮議立てじゃが、この木の芽どきに生欠伸《なまあくび》ばかりしているも芸のない話じ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
京橋へ向った。いくら御用聞きでも、何の手がかりも無しにむやみに和泉屋へ乗り込んで
詮議立てをするわけには行かなかった。彼は鉄物《かなもの》屋の店さきを素通りして、....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
は、興奮したのよ。とても興奮し易い父ですから。あたしには、父のする事を、とやかく
詮議立てする資格も無し、また女の子は、父たちのなさることを
詮議立てしたって何もわ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たのか、和製か、その故事来歴を知りたい、普通、会話として、常識としてでは、そんな
詮議立てをしないでも通るが、著作として世に示すには、そんなことではならない。そこ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
行った際、キリストを否定したという理由で、わたしをキリスト教徒なみに、とやかくと
詮議立てするどんな正義があるのです? だって、わたしは、ただ否定しようと心に思っ....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
れから一変して、半ば皮肉な半ば自嘲的な調子になった。 「もう止しましょう。そんな
詮議立てをしても無益ですから。どっちだって同じことです。兎に角私は今、率直に云え....
「砂糖泥棒」より 著者:黒島伝治
助は、ぴり/\両足を顫わした。 「じゃが、」と主人は言葉を切って、「俺は、それを
詮議立てせずに、暇を取らせようとするんじゃ。それに、不服があるなら、今すぐ警察へ....
「穴」より 著者:黒島伝治
贋造紙幣ならば、百枚流通していようが、千枚流通していようが、それは、やかましく、
詮議立てする必要のないことだった。しかし一度発覚され、知れ渡った限りは、役目とし....
「黄色な顔」より 著者:ドイルアーサー・コナン
だよ。――オット、奴さんたしかに階段を登って来るらしいぞ、さあこうなるとパイプの
詮議立てなんかしているより面白くなるて……」 と云っているとほどなく、私達の部屋....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
しにすることによって次郎が現在以上の人間になれると請合えない以上、今さらとやかく
詮議立てしてみても、はじまらないことなのである。 次郎について、われわれの知っ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ることぞ。まして間者とも細作とも確かに見きわめた証拠もないのに、あまりに物々しい
詮議立ては、日本の侍の器量も推し測られて、異国への聞こえも恥ずかしい。のう、采女....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
がひがんで議論をなしたのか。わたしは固よりその間の消息を知らない、またここでその
詮議立てをする必要もないのであるが、唯ここでひと言いって置きたいのは、局外者の脚....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
いたその留守の間に、花は暇をとって帰ってしまった、どういう理由で帰ったのか、別に
詮議立てもしなかったので、それについては何も知らなかった。 小夜子は今の今まで....