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「詰む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

詰むの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
間的に立ち竦《すく》む。お梶ちょっと目礼して行き過ぎる。藤十郎、しばらく後姿を見詰むる) 四郎五郎 (藤十郎の立ち出でたるを見て)今も、そなた様の噂をしてじ....
如是我聞」より 著者:太宰治
将棋だとするならば、あいつの書くものなどは、詰将棋である。王手、王手で、そうして詰むにきまっている将棋である。旦那芸の典型である。勝つか負けるかのおののきなどは....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
螂はあの三角の小さな頭、淡緑色の大きな眼球に蚊の嘴程の繊く鋭い而してじいと人を見詰むる瞳を点じた凄い眼、黒く鋭い口嘴、Vice の様な其両手、剖いて見れば黒い虫....
白くれない」より 著者:夢野久作
藤倉殿御夫婦は唯今討果したるばかりなり。性根を据ゑて返答し給へ。如何に/\と問ひ詰むるに、黙然として答無し。すなはち一刀の下に首を打落して玄関に上り、物蔭にて打....
春昼」より 著者:泉鏡花
、右の方は昔ながらの山の形、真黒に、大鷲の翼打襲ねたる趣して、左右から苗代田に取詰むる峰の褄、一重は一重ごとに迫って次第に狭く、奥の方暗く行詰ったあたり、打つけ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
だ。さて予幼年の頃、しばしば蟾蜍《ひき》を育てたが、毎度蟾蜍が遠方にある小虫を見詰むると、虫落ちてそれに捉わるるを見、その後|爬虫《はちゅう》や両棲類や魚学の大....
風流仏」より 著者:幸田露伴
礙無所畏、切屑払う熱き息、吹き掛け吹込む一念の誠を注ぐ眼の光り、凄まじきまで凝り詰むれば、爰に仮相の花衣、幻翳空華解脱して深入無際成就一切、荘厳端麗あり難き実相....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
膚、食あり生命あるも、一にもって、貴女の御恩…… 白糸 (耳にも入らず、撫子を見詰む。) 撫子 (身を辷らして、欣弥のうしろにちぢみ、斉しく手を支く。) 白糸 ....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
る意味ありて存するごとく、満身の気を眼にこめて、その瞳をも動かさで、じっと人を目詰むれば他をして身の毛をよだたすことある、その時と同一容体にて、目まじろぎもせで....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
れた! (と決心せる如く機より立ち離れ、場の中央に立ちて下手の口の堅き鉄の扉を見詰む。――扉の外にて軽き足音聞こゆ) 女子 軽い足音がする。このもの寂しい室へ来....
一人舞台」より 著者:ストリンドベリアウグスト
それともどういうわけか知ら。わたしもよく分からないわ。 (乙、甲を物珍らしげに見詰む。甲、深く物を案ずるらしく。) 一体わたしとお前さんと知合いになった初めのこ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
たかいも、ほぼ終盤に入っている。 そして、北条氏の王将の府「鎌倉」だけが、いま詰むか詰まないかの境にある。だがまた、もし下手に詰めそこねたら、これまでの宮方の....