詰る[語句情報] »
詰る
「詰る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詰るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
た。」 何か残惜く、かごとがましく、不平そうに謂ったのが、なぜ見せなかった、と
詰るように聞えたので、早瀬は石を突流すごとく、 「縁が無かったんだろうよ。」 「....
「親子」より 著者:有島武郎
った。 「風呂桶をしかえたな」 父は箸を取り上げる前に、監督をまともに見てこう
詰るように言った。 「あまり古くなりましたんでついこの間……」 「費用は事務費で....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
やつを見ると、丼がたった一つ。腹の空いた悲しさに、姐さん二ぜんと頼んだのだが。と
詰るように言うと、へい、二ぜん分、装り込んでございますで。いや、相わかりました。....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
、言い方が、いかにも邪慳に、意地悪く聞えたせいか、幹事が、対手は知らず、ちょっと
詰るように、 (誰が明けます。) (誰や知らん。) (はあ、閉める障子を明ける人....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
な両足の裏をひねくり廻していた博士が、不意に顔をあげた。 「結末?」 と、鋭く
詰るように云って、博士は、だがひどく悄然と立上った。 どうしたことか今までとは....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
うてみさっしゃい、団子|噛るにも、蕎麦を食うにも、以来、欣弥さんの嫁御の事で胸が
詰る。しかる処へ、奥方連のお乗込みは、これは学問修業より、槍先の功名、と称えて可....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
撃機の編隊だ。見なれないその異様な恰好! 一秒、二秒、三秒…… 高射砲は、息
詰るような沈黙を見せている。射撃指揮手は、把手をグルグルと左右に廻して目盛を読も....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
……何のために、髪までそんなに美しく世の中へ生れて来たんだ。」 春狐は思わず、
詰るがごとく急込んで火鉢を敲いた。 「ねえ、私にだって分りませんわ。」 「で、ど....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
だの、いや矢ぶみだの、あさましく聞きはしないか、と、舌がたちまち縮んで咽喉へ声の
詰る処へ。 「光邦様。」 日ぶみ矢ぶみの色男の汗を流した顔を見よ。いまうわさし....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
周囲を歩行いたんだが、そう、どっちにしても婦らしく思われた――それがすぐに、息の
詰るほど厭な心地だったんではないけれども、こう、じとじとして、湿っぽくッて、陰気....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
もしなかった。東京で酒屋の小僧をしている息子が、ひょっこり行商からかえった母親を
詰ると、彼女は吐き出したということであった。 「自分のことは自分でするのが本当だ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
という質で、泣かないが蒼くなる風だったそうだから、辛抱はするようなものの、手元が
詰るに従うて謂うまじき無心の一つもいうようになると、さあ鰌は遁る、鰻は辷る、お玉....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
から申すことで、何しろ湯屋で鐘の音を聞くのさえ忌むとしてござります。」 「そして
詰る処、何に障るんですね。」 「いえはじまりは地震かと思うてびくびくしていたんで....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
をいって来ないお庇で、私がどんな出世をしたのよ、どんな出世が出来たのよ。」 と
詰るがごとく声強く、 「お前たちを袖にして出世をしたってどうするの、よ、愛吉、」....
「活人形」より 著者:泉鏡花
じてまッそのとおり、ははははは。「お前はなあ。「これ、古風なことをするな。呼吸が
詰る、これさ。「鶏が鳴いても放しはしねえ。早く追い出しておしまいなさい。「水を打....