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詰所
「詰所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詰所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
にこう云う字を浮かび上《あが》らせる。――上に「公園|六区《ろっく》」下に「夜警
詰所《やけいつめしょ》」。上のは黒い中に白、下のは黒い中に赤である。
....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
を懐かずにはおられなかった。 非人|頭《がしら》が、六人を刑場の入口にある与力
詰所へ案内した。腑分の準備が整うまで、六人はそこで待たなければならぬのだった。 ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
頑丈な鉄格子があって、その真中が、鉄格子の扉になっていた。そしてその外に、監守の
詰所があった。そこには灯があかあかと点っていた。 出口の鉄格子はピシャンと閉っ....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
自分が恰度午前四時二十分前頃に、交換時間で、配電室から下り一番の線路伝いに本屋の
詰所へ戻る途中、この場で、この通りに倒れている屍体を発見し、直に報告の処置を執っ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
まで床の間に飾って置いたのでした。なんでも九月のはじめだそうで、今宮さんは夕方に
詰所から退って来て、自分の小屋で夕飯を食いました。たんとも飲まないのですが、晩酌....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
て仁を為す者、是ほど立派なる者あらんや 五日の朝八時頃の事最寄警察署の刑事巡査
詰所に二人の探偵打語らえり一人は年四十頃デップリと太りて顔には絶えず笑を含めり此....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
われた。 「あれほどの美人を手に入れる、ムカムカするの、うらやましくもある」 「
詰所へ帰って酒でも飲もう」 三人ながら武士であった。広大な庭の反対側に、別の建....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
行所の門前であった。 裏門へ廻ると平八は、ズンズン内へはいって行った。 与力
詰所までやって来ると、顔見知りの与力が幾人かいた。 「いよう、これは郡上氏」 「....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
近寄るところを待受けて、ただ一発に撃ち落さなけれはならない。ついては、その本陣の
詰所を土地の庄屋または大百姓の家に置き、当番の組々がひそかにめいめいの持場を固め....
「暗号数字」より 著者:海野十三
をしては、事件の依頼主に対し相済まぬと思ったからである。 身分証明を見せると、
詰所の警官は本署に電話をかけてくれた。間もなく栗山という刑事と、ほかに医師が一人....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
状した所は、二日|許り前の晩夜中にガチャンと硝子の破れる音がしたのでハッと二人で
詰所を飛びだすと、一人の曲者が将に明りとり窓から逃げ出す所で、その窓硝子を一枚落....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
逃げてしまった。それから後は叔父は真っ直ぐにあるき出した。三人は無事に自分たちの
詰所へ帰った。あとで聞くと、叔父は夢のような心持でなんにも知らなかったということ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
侍従は小坂部に付き添って奥へ通ったが、采女は玄関の前に控えていると、侍どもは彼を
詰所へ案内して、焚火の前に休ませてくれた。ここでも北国の南朝方がこの頃ふたたび頭....
「芸術三昧即信仰」より 著者:上村松園
堂に禅師を訪ねました。有り余るなやみを胸に抱いて禅師の教えを乞いに参じたところ、
詰所の人が禅師はお休みだからと断るようでした。わたしは「では一時間でも二時間でも....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
わったが、こちらはなおもしつこく要求した。それが悪かったらしい。夜九時ごろ看守の
詰所に引張り出され『さっき何といったか、もう一度いってみろ』という。『本を貸せと....