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詰責
「詰責〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
詰責の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭の偽映鏡」より 著者:佐左木俊郎
ね。……きみはまた、すっかりプチブルになってしまったじゃないか?」 べつだんに
詰責するらしい様子もなく、吉本は微笑を含みながら言うのであったが、永峯にはなにか....
「接吻を盗む女の話」より 著者:佐左木俊郎
得るであろう。 そこまで考えると、三枝子は最早《もはや》夫に対して昨夜のことを
詰責《きっせき》せずにはいられない気がした。彼女は夫の方を偸《ぬす》み見た。 ....
「こころ」より 著者:夏目漱石
て実家から受け取った書翰《しょかん》も見せました。これにも前に劣らないほど厳しい
詰責《きっせき》の言葉がありました。養家先《ようかさき》へ対して済まないという義....
「明暗」より 著者:夏目漱石
《そらぞら》しい様子をした。はてなと考える態度まで粧《よそお》って見せた。お延は
詰責《きっせき》した。
「あなたは私の前で説明する義務があります」
「何をですか....
「語られざる哲学」より 著者:三木清
ってますます悪くなる。私が悪事をなしたとき私の魂は悲しんだ。けれど誰かが私の悪を
詰責しようとしたとき私の傲慢な心は答えた、「一体何が善であり悪であるのか。伝統や....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ったのですよ。さて、犯行の実際を説明しますかな」と云ってから、法水は検事と熊城に
詰責気味な視線を向けた。「だいたい何故扉の浮彫を見ても、君達は、傴僂の眼が窪んで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
をする気か」 お銀様はこらえきれなくなったから、声を慄《ふる》わして折助どもを
詰責《きっせき》しました。お銀様でなかったら、ぜひはさて措《お》いて、一応この折....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
甚だ片意地な男があった。窃盗|掏摸《すり》などの事件を断ずる場合に、彼は加害者を
詰責せずして、かえって被害者を叱り付け、この災害は汝自身の不注意から自ら招いたも....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
立った顔を苦しそうにふりながらどもった。「な、なぜ云わない?」と背後にいるものを
詰責した。「ぶ、ぶ礼講だ、みんな、云いたいことが、あるんだ、なぜ、云わない」
....
「惜別」より 著者:太宰治
が、ちょうどこのノオトも、その時に共に紛失してしまったのである。運送店に捜すよう
詰責したが、絶えて返事が無かった。ただ、先生のお写真のみは今なお僕の北京の寓居の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、家の存続ということが、父の死後までの関心第一である限り、その相談――ではない、
詰責《きっせき》なのです、その唯一の血筋でありながら、家をも親をも顧みない私とい....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
話の初まりはまったくだしぬけであった。
「私はあなたを祝します。」と司教はまるで
詰責するような調子で言った。「あなたは少なくとも国王の死刑には賛成しなかったので....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
中は、今ここに記《しる》すまでもなきことなり、直ちに重井と泉に向かってその不徳を
詰責《きっせき》せしに、重井は益※その不徳の本性《ほんしょう》を現わしたりけれど....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
女をかばってやらなければならない者すら身の潔白を表わすに急で、強く厳しく、彼女を
詰責《きっせき》するようにさえ見えた。 私は知らないことを、分明《はっきり》と....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
蒟蒻を煮ておいでになりました」 と報告しました。私に武者振りついても、飽くまで
詰責しようと待構えていた母も、これですっかり気先を挫かれて、苦笑するより仕方あり....