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「話し手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

話し手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
し陰気に裏書きしていた。 「おい。百合《ゆり》ちゃん。百合ちゃん。生をもう二つ」話し手の方の青年は馴染《なじみ》のウエイトレスをぶっきら棒な客から救ってやるとい....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
そのとおりだね」と、私は思わず返事をしたが、初めは私が心のなかで考えていたことに話し手がちゃんと調子を合わせていた不思議なやり方に気がつかなかった(それほど私は....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
かの老人の口から語られたのではない。他の人々から聞かされた話もまじっている。その話し手をいちいち紹介してはいられないから、ここでは半七のモデルとなった老人を紹介....
十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
ります。その折、語り手が申しますのに、これから先うっかりとこの怪談を人に語らば、話し手に禍いがかかるか、聞き手の身に禍いが起るか、いずれにしても必ずともに何ぞ怪....
流線間諜」より 著者:海野十三
一つと、その横にも空っぽの椅子が一つ、抛り出されたように置かれてあった。さっきの話し手は、この一つの椅子に坐っていたものに違いない。ではこの廻転椅子にいたのは誰....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
後も、人の目の幻に、船の帆は少時その萌黄の油を塗った。……「畳で言いますと」――話し手の若い人は見まわしたが、作者の住居にはあいにく八畳以上の座敷がない。「そう....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
つはこうなんだ――。』 ひとりが答えかけて低声になると、みんなの首がまえへ出て話し手のほうへ集まる。 隣りに静粛にお刺身をつついている二人の老人組は、その端....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
なかった。しかし、はっきりした言葉は一つも私の耳に入らなかった。 とうとうその話し手たちは立ち止ったらしかった。そして多分坐ったようであった。というのは、彼等....
ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
「あなたは、どうもなかなか話じょうずだ。」と、毛ぼうきがいいました。「いかにも話し手が婦人だということがすぐわかるようで、きいていて、なんとなく上品で、きれい....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
うちでつぶやいていた。それがために、彼は過去六シーズンのあいだに築き上げた上手な話し手としての名声を台なしにしてしまった。私は心の底から彼を祝福してから、料理の....
時 処 人」より 著者:岸田国士
「食べ物」の話というやつは、多少度外れていても、そんなに実害がないばかりか、もし話し手にその人を得れば、けつこう「空腹」の足しになるという例が、今私の眼の前にあ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ようとするのは何か、ということと、この物語は何を証明するのか、ということだった。話し手は、労をねぎらうための葡萄酒のグラスを唇につけようとしていたが、一瞬静止し....
」より 著者:犬田卯
あろうという者が出て来た。 意外な瘤礼讃を聞くものかなと田辺はびっくりしてその話し手を眺めずにいられなかったのである。全村民の与望を荷って出馬したものとばかり....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
彼はあったのだ。 「知らない土地へ行ったらあれでも夫婦で通ッぺね。」真面目な顔で話し手はいうのであった。それから村の酒屋ではいくら、どこそこではいくら引っかけら....
審判」より 著者:カフカフランツ
べってからは、ブロックはもうベッドのほうを見ず、むしろ部屋の隅のどこかを見つめ、話し手の視線があまりまぶしすぎて耐えられないというように、ただ耳を傾けるだけだっ....