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話し掛ける
「話し掛ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
話し掛けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
識せず、ソファに並んで坐って一つの煖炉の火を見つめながら、その火焔に向って交互に
話し掛けるような形式を執《と》るならば、諸君は、低能のマダムと三時間話し合っても....
「かのように」より 著者:森鴎外
て来て、何か上《うわ》の空《そら》で言って、跡は黙り込んでしまう。こっちから何か
話し掛けると、実《み》の入《い》っていないような、責《せめ》を塞《ふさ》ぐような....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
《しめだし》を食った。近所の娘が一人やはり同じように閉出を食っている。娘は息子に
話し掛ける。息子がおじの内へ往って留めて貰うより外はないと云うと、娘が一しょに連....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
に考えていると、紀代子は足早に傍を通り過ぎようとした。豹一は瞬間さっと蒼ざめた。
話し掛ける言葉がなぜか出て来ない口惜しさだった。 (この一瞬のために二時間を失う....
「家」より 著者:島崎藤村
いて、一寸階下へ降りた。 老人や母や勉は長火鉢の周囲に集っていた。三吉は友達に
話し掛けるような調子で、勉に話し掛けた。 「へえ、今度も商用の方ですか」 「ええ....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
杏の砂糖漬けだの青梅から作った梅酒などを※子達にすすめた。 お久美さんは※子の
話し掛けるのを待ち兼ねて居る様にしてじいっと座って居た。 ※子も亦たった一度で....
「省察」より 著者:デカルトルネ
であるから、少くともかかる像を空虚で偽のものとして無視しよう。そしてただ、自分に
話し掛けることによって、またいっそう深く洞観することによって、私自身を漸次私にい....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
公しているものであるが、病気にて帰っているのだということです。私は気の毒に思い、
話し掛けると、ぼんやり坐っていた青年は私に挨拶をしていうには、 「私は、今、父の....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
それでも何でも月にいっぺん、親しく大師匠の墓前へ立って、まるで生きている人にでも
話し掛けるよう、己の昨今を報告し、あわせて、芸運長久のほどをひたすら祈ってかえっ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
い。ところで私はシナの文字をどしどし書き立てて、お前これが分るか、分るかと言って
話し掛けると、その人は笑いながら、よしてくれろ、チベット語で話をしたいということ....
「朝鮮の友に贈る書」より 著者:柳宗悦
は常に心と心とが逢う場所である。そこには人間の幸福な交りがある。いつも心おきなく
話し掛ける声が聞えている。藝術は二つの心を結ぶのである。そこは愛の会堂である。藝....