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話頭
「話頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
話頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
敬服さ加減を披瀝《ひれき》するために、この朴直な肥後侍《ひござむらい》は、無理に
話頭を一転すると、たちまち内蔵助の忠義に対する、盛な歎賞の辞をならべはじめた。
....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
吐いた。
「貴公は相変らず発句《ほっく》にお凝りかね。」
馬琴は巧《たく》みに
話頭を転換した。がこれは何も眇の表情を気にしたわけではない。彼の視力は幸福なこと....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
い。」
譚は大声に笑った後、ちょっと真面目《まじめ》になったと思うと、無造作に
話頭《わとう》を一転した。
「じゃそろそろ出かけようか? 車ももうあすこに待たせ....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
った。
「雨ですね。お父さん。」
「雨?」
少将は足を伸ばしたまま、嬉しそうに
話頭を転換した。
「また榲※《マルメロ》が落ちなければ好《い》いが、……」
(大正十年十二月)....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ていた。するとまた思兼尊《おもいかねのみこと》が彼の非凡な腕力へ途切《とぎ》れた
話頭を持って行った。
「いつぞや力競《ちからくら》べがあった時、あなたと岩を擡《....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
りはもうついたのか。」
太郎は、日にやけた顔に、いらだたしい色を浮かべながら、
話頭を転じた。おりから、雲の峰が一つ、太陽の道に当たったのであろう。あたりが※然....
「春」より 著者:芥川竜之介
面目《まじめ》に返事をした。と思うとたちまち微笑《びしょう》と一しょにもう一度|
話頭《わとう》を引き戻した。
「それよりもわたしの問題だわね、姉さんから話してい....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
たがね。とにかく一風変《いっぷうかわ》った人には違いないさ。」と、巧《たくみ》に
話頭を一転させてしまった。が、毛利先生のそう云う方面に関してなら、何も丹波先生を....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は三崎の話でした。あちらに見ゆる遠景が丁度油壺の附近に似て居りますので、うっかり
話頭が籠城時代の事に向いますと、良人の様子が急に沈んで、さも口惜しいと言ったよう....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
葉を交えた事がない。私は其の旨を答えようとするとヤコフ・イリイッチは例の頓着なく
話頭を進めて居る。 かんかん虫手合いで恐がられが己れでよ、太腐れが彼奴だ。 ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
とした。 橘八郎は、故郷の初の舞台において、羽衣の一曲を勤めんとするのである。
話頭が転じた。―― 何の機掛もなかったのに、お悦が、ふと…… 「……おひささん....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
く 怪まず千軍皆|辟易するを 山精木魅威名を避く 犬村大角 猶ほ遊人の
話頭を記する有り 庚申山は閲す幾春秋 賢妻生きて灑ぐ熱心血 名父死して留む枯髑髏....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
にかかることでもあった。 「それであんたは妾の兄弟だと思っているの」 と、妾は
話頭を転じたのだった。 「さあ、それを確かめたくて伺ったのですけれど、とにかく僕....
「兄妹」より 著者:岡本かの子
だ。歩けるまで春の武蔵野を歩いてみたいのだ。 ――きみい(君) と兄は妹へ話す
話頭の前にかならず、こう呼びかける。外国文学を読み耽る兄が外国の小説の会話で一々....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
居るだけであります」と答えますと尊者は少し頭を俯向けて考えて居られましたが、忽ち
話頭を転じてマニすなわちチベット仏教秘密の事に移りました。こういう問答は専門に渉....