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「誇る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

誇るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
素袍《すおう》に、立烏帽子《たてえぼし》をかけた大名である。「それがし、いまだ、誇る宝がござらぬによって、世に稀《まれ》なる宝を都へ求めにやろうと存ずる。」人形....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
必ずしも彼等の罪ばかりではない。 又 民衆の愚を発見するのは必ずしも誇るに足ることではない。が、我我自身も亦民衆であることを発見するのは兎《と》も角....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
所宜《なおせぞくびゃくえのよろしきところにあらず》。』艱難《かんなん》の多いのに誇る心も、やはり邪業《じゃごう》には違いあるまい。その心さえ除いてしまえば、この....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
神病院|裡《り》に飽食暖衣《ほうしょくだんい》するの幸福を得べし。然れども世界に誇るべき二千年来の家族主義は土崩瓦解《どほうがかい》するを免《まぬか》れざるなり....
或る女」より 著者:有島武郎
》がならべてあったが、流行を作ろう、少なくとも流行に遅れまいというはなやかな心を誇るらしい履物《はきもの》といっては一つも見当たらなかった。自分の草履《ぞうり》....
或る女」より 著者:有島武郎
、ただ慎み深く素直《すなお》だった。 「愛ねえさんうれしいわねえ」 貞世は勝ち誇るもののごとく、縁側の柱によりかかってじっと冬枯れの庭を見つめている姉の肩に手....
性急な思想」より 著者:石川啄木
ろ退いて、自分がそれ等の人々よりより多く「非近代的」である事を恃《たの》み、かつ誇るべきである。そうして、最も性急《せっかち》ならざる心を以て、出来るだけ早く自....
弓町より」より 著者:石川啄木
をもって詩を書きかつ読むいわゆる愛詩家、および自己の神経組織の不健全なことを心に誇る偽患者《にせかんじゃ》、ないしはそれらの模倣者《もほうしゃ》等、すべて詩のた....
婦系図」より 著者:泉鏡花
む、などと、※紅をさして、蚯蚓までも突附けて、意見? を問われるには恐れている。誇るに西洋料理七皿をもってする、式のごとき若様であるから、冷評せば真に受ける、打....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
にあって今日まで生命を続けて来たことについては、私は明かに知っている。この認識を誇るべきにせよ、恥ずべきにせよ、私はごまかしておくことが出来ない。私は私の生命を....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
的社会現象を完全に科学をもって証明することは不可能のことである。科学的とみずから誇るマルクス主義に於てすら、資本主義時代の後に無産者独裁の時代が来るとの判断は結....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
の力を認め、これを実行に移したものが資本家であったということは日本映画界が世界に誇るに足る珍記録であり、チャップリンといえどもとうてい企図し得ないすばらしいギャ....
薬草取」より 著者:泉鏡花
、他国には勿論ないですね。 一体この医王山に、四季の花が一時に開く、その景勝を誇るために、加賀ばかりで染めるのだそうですな。 まあ、その紋着を着たんですね、....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
て意となさず、決してまた餓えむともせず。 この黒壁には、夏候一|疋の蚊もなしと誇るまでに、蝦蟇の多き処なるが、乞食僧は巧にこれを漁りて引裂き啖うに、約ね一夕十....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
て顕れた、これでこそと、なあ。」 与五郎、がっくりと胸を縮めて、 「ああ、業は誇るまいものでござる。 舞台の当日、流儀の晴業、一世の面目、近頃衰えた当流にた....