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「認印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

認印の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
古い馴染の集配人を労った。「判子を、ちょいと、出しとくれ」 「あい」お妻は、奥へ認印をとりに行った。 「旦那」郵吉は、大きい鞄の中から、出しにくそうに、白い角封....
わが町」より 著者:織田作之助
年頃ゆえの恥かしさは勿論だが、それに彼女は美貌だった。 消毒を済ませ、しるしの認印をもらって、消毒機をこそこそ風呂敷包みのなかにしまって出て行く時、 「おやか....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だ職掌がらこの通知を伝えるために来ただけのことを断わり、多吉なりその代理人なりが認印持参の上で早く本人を引き取れと告げて置いて、立ち去った。 ともかくも半蔵が....
」より 著者:島崎藤村
のことを思出していた。 「お愛さん、貴方はもう御帰りなさい。保証人の方へ廻って、認印を貰って行ったら可いでしょう」 と三吉に言われた、お愛は娘らしく顔を紅めて....
田舎教師」より 著者:田山花袋
続いて今度ここに来るについての費用を計算してみた。 25.0…………………………認印 22.0…………………………名刺 3.5…………………………歯磨および楊子....
一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
ーブル》の上に特別なケイ紙が備えつけてあり、そこに時間その他が刷ってある。それへ認印を押しにちょっと顔を出すのである。或るものは監房の方へ顔を向けズーと一通り廊....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
込みは全部飛ばして、次の「四百二十三号……四」の分を記入して、一々「若林」という認印を捺してしまいました。……すなわち、今しがた寝棺の中に納められたばかりの少女....
涙のアリバイ」より 著者:夢野久作
ラ……。 ……右の手の甲に大きな疵痕……。 ……左の薬指に「槻田」と彫った巨大な認印つきの指環一個……。 ……時々思い出したように、ねばっこい、ヒネクレたわなな....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
ひらめ、などと、ノートさせられて「今日午後六時の汽車にて帰す」と浜子が書き添え、認印《みとめ》を押してよこした年少のころ、浜子の母人《ははびと》はホクホクして、....
春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
家から名入りの印|絆纒をだして着せ、その上に伯爵の候補者推薦名刺には、大隈という認印まで捺してある。 だが、玄関派は無産党であるから印絆纒などだす訳にはゆかな....
雪の夜」より 著者:織田作之助
たが、実はその時の持ちの瞳のもてなしが忘れられなかったのだ。会員券にマネージャの認印があったから、女たちが押売したのとちがって、大事にすべき客なのだろうと、瞳は....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
へ着たなりで眠っていた。 朝飯を済まして、書留だったらこれを出せと云って子供に認印を預けて置いて、貸家捜しに出かけようとしている処へ、三百が、格子外から声かけ....
すみだ川」より 著者:永井荷風
して読み耽《ふけ》った。そして明日《あした》出すべき欠席届にはいかにしてまた母の認印《みとめいん》を盗むべきかを考えた。 五 一《ひと》しきり毎日毎夜のように....