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「誓紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

誓紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
でした。何か子細をかぎ知りうるような女からの艶文《つやぶみ》だとか、ないしはまた誓紙証文とでもいったようなものでもありはしないかと、心ひそかに予期していたのでし....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
まえてくれるなと云うのであった。信長はその条件を諾して、越前にかまわざるべしとの誓紙を、長政に与えた。 永正十一年七月二十八日、信長は長政と佐和山で対面した。....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
て、若君を守立て天下の政務を執りたいものである」と答えた。使者達は大いに喜んで、誓紙を乞うた。処が秀吉は、「それこそ、こちらから願い度き物であるが、某一人に限ら....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
彼女のたっての要請に応じて、一つの誓文を書かされた時であった。と言っても恋の起請誓紙といったような色っぽいものではなくて、今後一切彼女のことに関する限り、作品に....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
がある、良法があるのにこれを秘して伝えぬのは不仁であるといった。そこで独美は始て誓紙に血判をさせて弟子を取った。それから門人が次第に殖えて、歿するまでには五百人....
春盲」より 著者:豊島与志雄
との出来る形式に過ぎない。子供を拵えることは、無意識の偶然の現象に過ぎない。起請誓紙などは、古めかしい反故に過ぎない。だから、ちょっと来い……そしてすぐに来る。....
南国太平記」より 著者:直木三十五
判りましてござりまする」 「それでは、別れると、此後一切係り合い無しと、これで、誓紙を作るがよい。早く、承諾してくれて、落ちついた」 兵太夫は、違い棚から、手....
魔都」より 著者:久生十蘭
、後者は横浜に本拠を置くから野毛山と称え、親分御用の節はいつにても一命を、という誓紙を立てた血気盛んなる数千の身内を擁し、両々相譲らざる二大勢力。前田組は林興業....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
これはいわゆる別紙口伝で、これを受ける者は天地神明に誓い、濫りに他言しないという誓紙を入れて伝授を受けるしきたりとなった。この別紙口伝を受けるのがいわゆる古今伝....
無月物語」より 著者:久生十蘭
が、肩を痛めているのではかばかしくいかなかった。しかしともかく書きあげた。泰文は誓紙をひったくると、腰刀を抜いて三度僕の胸に突き通し、死にゆくさまを立ったままで....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
いなのだから、そんな事を云われちゃア心持が宜くないじゃアねえか、末は夫婦と仮にも誓紙まで取り交した仲だのに、そう云う了簡では仕様がないから、私はもう是ぎり逢わね....
三国志」より 著者:吉川英治
顔して、 「然らば、万一にも、軍命を怠ることあらば、いかなる罪にも伏すべしという誓紙を差出されい」と、いった。 関羽は、即座に、誓文を認めて軍師の手許へさし出....
三国志」より 著者:吉川英治
られても、恨みとは存じ申さん」 「よろしい。軍誓状を書き給え」 「もちろんどんな誓紙でも書きます」 ついに、張※は、三万の兵を乞いうけた。自分が総指揮官となっ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「わが祖廟、北条氏にたいして、ちかって異心をはさみ奉らずというむねを、熊野牛王の誓紙にしたためて差出せい」 これはいやだといえる筋あいのものではない。けれど侮....
黒田如水」より 著者:吉川英治
官としてこの地方を領して来たお家柄でもある。なに迷うことがあろう。どんな質子でも誓紙でも入れて、その代りに、ご助勢を仰げばよい」 これは明らかに、四囲の情勢を....