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「誘起〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

誘起の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
してはならない。 降雨――雨量が少量の場合は湿雪の降ったのと同様、概して雪崩を誘起しないが、多量のときは積っている雪の中まで浸潤して、その雪を湿潤雪とし最後に....
近時政論考」より 著者:陸羯南
つねに上よりこれを誘導す、政論の運動、すなわち政治思想の発達は明治政府実にこれを誘起したり、しかれども維新以後の人民たる吾人は内外交通開発の恵みを受けて自ら近世....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の部参照)なる事実と照合する時は、かかる心理遺伝が、斯の如き屍体飜弄の夢中遊行を誘起し得べき事、疑を容れざるべし。 次に、如上の考察を事実と照合して具体的に説....
白金神経の少女」より 著者:蘭郁二郎
える、ということによって脳に一種の電流が生じる、これに感応して相手の脳髄に電流が誘起されるのが以心伝心という現象なんじゃ。しかしこれも感度のいい頭の奴と悪い奴が....
怪異考」より 著者:寺田寅彦
な条件の具備した局部の地殻があればそこに対し小規模の地震、すなわち地鳴りの現象を誘起しても不思議はないわけである。そして、それがある時代には頻繁に現われ、他の時....
舞踏病」より 著者:豊島与志雄
人手掛けたことがありますが、重に貧血だとか営養不良だとか心臓虚弱などから反射的に誘起する場合が多いので、治癒になかなか骨が折れるし長引くし、まあ厄介な患者ですね....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
る限界内に止まれば、それだけにて止むも、少しにてもこれを超ゆれば他の弱点の破壊を誘起して更に大なる変動を起す事もあるべく、その際如何なる弱点が誘発さるるやはまた....
文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
星学暦術のために至大の影響を受けたというよりは、かえって数学の発達が暦術の発達を誘起さすこととなったのである。数学が主にして、天文暦術はむしろ客であったともいい....
寒中滞岳記」より 著者:野中至
た》く逆上し、ために平素往々|患《うれ》うる所の、扁桃腺炎《へんとうせんえん》を誘起し、体温上昇し咽喉《いんこう》腫《は》れ塞《ふさ》がりて、湯水《ゆみず》も通....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
る少女と、ああこの単純なる物象《ぶっしょう》の配合は如何《いか》に際限なき空想を誘起せしむるか。柳しだるる井のほとりに相対して黙然《もくねん》として見るべからざ....
妾宅」より 著者:永井荷風
なりといえども、それらの物の形と物の色よりして、新時代の女子の生活が芸術的幻想を誘起し得るまでには、まだまだ多くの年月《ねんげつ》を経た後《のち》でなければなら....