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語り物
「語り物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
語り物の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
恋だって、あんまり莫迦《ばか》げている。僕たちが若竹へ通った時分だって、よしんば
語り物は知らなかろうが、先方は日本人で、芸名|昇菊《しょうぎく》くらいな事は心得....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
けている。古本屋から洋服が出て来る。鳥打帽が寄席《よせ》の前に立っている。今晩の
語り物が塗板に白くかいてある。空は針線《はりがね》だらけである。一羽の鳶《とび》....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
せっつだいじょう》を聞かしてくれろと云うから、連れて行ってやらん事もないが今日の
語り物は何だと聞いたら、細君が新聞を参考して鰻谷《うなぎだに》だと云うのさ。鰻谷....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
らべの知る事ならずサ。」 浄瑠璃の行われる西の人だったから、主人は偶然に用いた
語り物の言葉を用いたのだが、同じく西の人で、これを知っていたところの真率で善良で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》れがないではないが、何をいうにも、この祭文語りは山伏に近い古風なもので、ことに
語り物が、哀婉《あいえん》たる苅萱道心《かるかやどうしん》の一節と来ているのだか....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
娘義太夫全盛の証拠には、その当時の諸新聞は、二、三の大新聞を除いて大抵は「今晩の
語り物」という一欄を設けて、各寄席毎晩の浄瑠璃外題と太夫の名を掲載していたのであ....
「竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
的が姿を現わすと、神妙に静まりかえって、邪魔にならぬほどのよい機《おり》を見て、
語り物の乗りにあわせて、下足札《げそくふだ》で拍子をとり、ドウスル、ドウスルと連....
「吉岡芳兼様へ」より 著者:織田作之助
れると困りますので、「オダ」が出て来るのです。 「聴雨」でもこの小説でも、作風は
語り物の形式を離れて、分析的になっていることはお気づきのことと思いますが、もとも....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
作品の中に、大阪弁の魅力が溌剌と生かされた例があるといえよう。大阪弁というものは
語り物的に饒舌にそのねちねちした特色も発揮するが、やはり瞬間瞬間の感覚的な表現を....
「わが文学修業」より 著者:織田作之助
合う美しさに陶然としていたので会話をなるべく地の文の中に入れて、全体のスタイルを
語り物の形式に近づけた。更に言えば、戯曲の一幕はたいてい三十分か一時間を克明にう....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
れようとしているのである。平家琵琶や宴曲・謡曲・浄瑠璃・長唄・浪曲などのような、
語り物風なのや、謡い物にしても長いものに到っては、千差万別である。音楽的詩歌の方....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
もたくさんおられますから。……そして、雅楽としての琵琶をお習びですか、平家などの
語り物を御会得なさりたいおつもりですか」 と、その道の詳しさも、また意外なほど....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
の安徳天皇も、都落ちの時がお六ツであり壇ノ浦の入水はお八ツであった。「劇」だの「
語り物」だの「古典」の文章だと、その子役的なおいとけなさは、従来の観念にあるよう....