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「語るに足る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

語るに足るの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
めてわずかに好きな書画なぞに日々の憂さを慰めていると聞く。 「幕府のことはもはや語るに足るものがない。」 と瑞見は嘆息して、その意味から言っても、罪せられた岩....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
るかも知れない。 ……宜しい……大いによろしい。 そういう人々こそ共に怪奇を語るに足る人々である。この地上、最大の怪奇的神秘の正体……一切のエロ、グロ、ノン....
文学における今日の日本的なるもの」より 著者:宮本百合子
性をもつ私小説について自我の啓発、探求をもとめているにかかわらず、遂に芸術の中に語るに足るだけの自我の内容と発動とを、作家生活の実質から喪失させてしまっているの....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。雄々しい互のやさしさだけが男を活かし女を活かすものです。いろいろ考えていてね、語るに足る対手としての最小限の発達線、進歩線と云われていた言葉を思いおこし、その....
決闘」より 著者:神西清
好きだった。ラエーフスキイは善良愛すべき男だ、大学生だ、共に飲み、共に笑い、共に語るに足る好漢だ、と思っている。ただ、彼にわかる限りのラエーフスキイは、すこぶる....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
集まって来たという事が如何に当時各種の人が居士の門下に走せ集まったかという事を物語るに足ると考えたからである。 芝の白金三光町にあった北里病院から『新俳句』と....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ならない、」とばかりで明言しなかった。が、「一見して気象に惚れ込んだ、共に人生を語るに足ると信じたのだ、」と深く思込んだ気色だった。 折々――というよりは煩さ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
くれないかといった。二葉亭は徳永とは初対面であったが、徳永の人物を臂を把って共に語るに足ると思込み、その報酬は漸く東京の一家を支うに過ぎない位であったが、極めて....
成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ」より 著者:福沢諭吉
かえりみて我が身の出処《でどころ》たる古学社会を見れば、その愚鈍暗黒なる、ともに語るに足るべき者なく、ひそかにこれを目下に見下して愍笑《びんしょう》するのみ。そ....
三国志」より 著者:吉川英治
には、それがしもおり、多くの将兵もいるのに、なんでまた」 「ところが一人として、語るに足る者はおらん。都は蛆虫の壺だし、荊州は蠅のかたまりだし、江夏は蟻の穴みた....
黒田如水」より 著者:吉川英治
えばこういう程度であった。それ以上、積極的には出ないのである。酒もうまし、相手も語るに足る人と見込んでいるが、その点、官兵衛はなお不満だった。 「間に合わん。そ....
道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
ものが分って来て、通人でなければ味わえぬ新発見の味感がある。 しかし、世間には語るに足る相手が稀なために、結局は当人と材料と二者だけの世界に入ってしまう。これ....