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「語呂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

語呂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女人訓戒」より 著者:太宰治
彼は或る盲目の女に此《こ》の破天荒の手術を試みたのである。接眼の材料は豚の目では語呂が悪いから兎の目と云う事にした。奇蹟《きせき》が実現せられて、其の女は其の日....
婦系図」より 著者:泉鏡花
とするとある小路を、近頃|渾名してAB横町と称える。すでに阿部|郡であるのだから語呂が合い過ぎるけれども、これは独語学者早瀬主税氏が、ここに私塾を開いて、朝から....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
のごとく、御領主様は智慧者でござる。仏高力、鬼作左、どへんなしの天野三郎兵衛と、語呂面白く舂引唄に作って唄いはやしたと今に古老の伝うるところですが、いずれにして....
新ハムレット」より 著者:太宰治
よく聞きとれなかった。ふざけては、いけません。わしは、まじめに尋ねているのです。語呂合せのような、しゃれた答えかたはしないで下さい。人生は、芝居ではないのです。....
続獄中記」より 著者:大杉栄
で大笑いした。さすがの彼女もあからさまにその本職を言いかねたのか、それともほんの語呂合せのいたずらをやったのか。 また、未決監から裁判所へ喚び出される。その他....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
応わしいと思って取り代えた。(註、「幽霊にしては」と「些細なことまで」が原語では語呂の上の「しゃれ」になっているのである。) 「存生中は、私は貴方の仲間、ジェコ....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
だけでは、人間、我慢ができないらしいや。しかし、「棄ててきた恋女房」というのが、語呂はよいが、よくよく考えると、正直な総理大臣をビックリ仰天させるほど複雑怪奇で....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
からない。アンマが人の肩をつかんでお金をとるのは当り前の話じゃないか。洒落にも、語呂合せにもなりやしない。バカバカしい、と思うだけのことであろう。 それと云う....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
うな不覚なことになるのである。 もともとバカとかバカヤローという言葉は甚だしく語呂がよく滑りがよいから、誰しも日に三度ぐらい、食事同様つい使いたくなる言葉であ....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
家が紅葉の恩沢に浴するそれ幾ばく、着たる糸織りの襟を内々直したる初心さ小春俊雄は語呂が悪い蜆川の御厄介にはならぬことだと同伴の男が頓着なく混ぜ返すほどなお逡巡み....
夜光虫」より 著者:織田作之助
ひょいと言ったが、さすがに弱った声だった。 「宿無しだよ。ルンペンだよ」 と、語呂よく、調子よく、ひょいと飛び出した言葉だが、しかしその調子の軽さにくらべて、....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
つあるのではないかというような心持がした。 子規逝くや十七日の月明に そういう語呂が口のうちに呟かれた。余は居士の霊を見上げるような心持で月明の空を見上げた。....
翻訳のむずかしさ」より 著者:神西清
韻とし、tore を脚韻とする大そう粋《いき》な駄じゃれだからである。まあ一種の語呂合せみたいなものであり、それを一概に「飜訳者は裏切り者」と心得て畏《おそ》れ....
梅にうぐいす」より 著者:北大路魯山人
を見つめている。 わたしはかまわず続ける。 「梅にうぐいすということは、言葉の語呂のよさでもなく、絵描きの都合上そうなったのでもない。やはり、うぐいす自身の自....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
旅寝しつらむ 花ゆゑにかからぬ山ぞなかりける心は春の霞ならねど のような調子で、語呂合せ的な言いぶりが、かえってなにか風流に淫しているといった感じの抒情味をしめ....