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語調
「語調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
語調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
見くるめながら、
「若い方《かた》は世話が焼ける……さあ行きましょう」
と強い
語調でいって、からからと傍若無人《ぼうじゃくぶじん》に笑いながら葉子をせき立てた....
「或る女」より 著者:有島武郎
だった。倉地のかんで捨てるような言葉は葉子を満足させた。同時に少し強すぎるような
語調が懸念でもあった。倉地の心底をすっかり見て取ったという自信を得たつもりでいな....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
るのは、如何にその人の性格の高貴さが足らないかを現わすに過ぎないということが強い
語調で書かれているのを見た。私はその老学者に深い尊敬を払っているが故に、そして氏....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
なんか、小学生にだって出来ます」 「そうですかね、……」と、僕は殊更疑わしそうな
語調で合槌を打った。 「そうですかって、君。あの時計は午後十一時四十分を指してい....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
したり、肩を振ったりして埓が明かなかった。 「ええ、意気地なし!」 むっとした
語調で云い捨てるなり、学生風の男は人を待たずに飛び込んだ。続いて石鹸だらけの肉体....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
なく、別府司令官であった。 ところが、別府司令官は、直前まで、参謀長を、激しい
語調で呶鳴っていた筈だった。おお、これはどうしたことだろう。参謀長の前には、たし....
「蠅男」より 著者:海野十三
十年前の古傷ですか。なるほど」と帆村は病人であることを忘れたように、ひきしまった
語調で呟いた。 「――で、もう一つの傷は?」 「もう一つの傷が、また妙なんだ。そ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
たら、間もなく三機帝都へ侵入の報あり、空襲警報となり、後続数目標ありと、情報者は
語調ががらりと変わる。起きて出てみれば東の空すでに炎々と燃えている。ついに、大空....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
目にあっている。おたがいさまだ」 戸倉老人が、はじめて口をきいた。軽蔑をこめた
語調だ。 「ふん。なんとでもいうがいい」頭目四馬は軽くうけ流すと、一歩前進した。....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
る証拠が集ってくるだろうと思われます」 大寺警部は、いくぶん得意にひびく自分の
語調に気がついたか、顔を赧らめた。 「犯人は、この家の外部の者だという確信がある....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
ないが、僕の方はよく知っています」 怪青年矢部は、つらにくいほど、ゆっくりした
語調でいって、無遠慮に宮川の横にかけた。 「とにかく、僕は君に見覚えがない。たの....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
しずかにハンドルをまわしていた。 「ええ、二十ノット、出ました」 彼は落着いた
語調で、伝声管の中に報告をふきこんだ。 諸君、このものしずかな東洋人は、一たい....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
………………… 辻町は夕立を懐うごとく、しばらく息を沈めたが、やがて、ちょっと
語調をかえて云った。 「お米坊、そんな、こんな、お母さんに聞いていたのかね。」 ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
」 お貞はかく謂えりしまで、血色勝れて、元気よく、いと心強く見えたりしが、急に
語調の打沈みて、 「しかしこうはいうものの、芳さん世の中というものがね、それじゃ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
何か言うと、 「可厭、可厭、可厭なんだよ、そんな奴に、」 とだだを捏ねるような
語調と態度で、 「博徒でも破戸漢でも、喧嘩に対手は択ばないけれど、親類附合は大嫌....