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誤つ
「誤つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
誤つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
帳簿に記入する必要があり、またその都度いろいろな印を印台から取出さねばならず、間
誤ついた。 五厘切手使うのにも、まるで官庁のように、いろいろな帳簿に記入するの....
「わが町」より 著者:織田作之助
履物を受け取って下足札を渡し、下足札を受け取って履物を渡す――これだけの芸は間
誤つきもせずてきぱきとやれ、小柄ゆえ動作も敏捷に見えたが、しかし、できるだけ大き....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
う事自身が既に快いものでない。それに裁判長には権柄ずくで訊問されるし、少しでも間
誤つこうものなら厳しく追求せられる。反対の立場にある弁護人から皮肉な質問を浴びせ....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
私にはよく判らないけれども、ともかく、秋川夫人は十七日の夜頭痛の薬をのむつもりで
誤つて駿三の催眠剤を多量に服用し、その結果、不慮の死を招いたものと一般に報ぜられ....
「道標」より 著者:宮本百合子
た。
「日本にも、心臓のわるい人はどっさりいますか」
伸子と素子とはちょっと間
誤ついた。
「日本には、心臓病よりも肺のわるい人の方が多いでしょう」
素子がそ....
「伸子」より 著者:宮本百合子
ぐなものがあった。足許から同じ力を入れてずっと見上げていくと顔へ来て急に視線が間
誤つくような複雑なもの――地味さ、感傷的なもの、心持がのびやかに外部に発しきらず....
「争われない事実」より 著者:小林多喜二
べんも読むことにした。 * とり入れっていた。 何べんも間
誤つき、何べんも調らべられ、ようやくのことで裁判所から許可証を貰い、刑務所へやっ....
「乳色の靄」より 著者:葉山嘉樹
だよ。余り数が多いから一々顔が覚えてられねえんだよ。向うだって引継ぎの時にゃ、間
誤つくだろうよ。ほら」 少年は通路に立っている乗客の方を、顎でしゃくって見せた....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
もなった態度という点。 このことがとり出されたとき、何より自分は苦痛の感じで間
誤ついて、わるかったという風に思い、言葉に出して弁解の余地はないとも云った。けれ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
よびして来ますからと云っているの。何だろうと思って私が立って行ったら、びっくり間
誤ついた顔で、広島からですの、というの。まあ、といそいで出てきいたら、外の民家へ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
京野等志です」 そこへ出て来た老婦人は、小萩の母で、うつかりすると、こつちも間
誤つくくらいに、老けこんでいた。 「まあ京野さん……これは、これは……。いつお帰....
「決闘」より 著者:神西清
・コーレンは客間にはいって来ながら愉快そうに言ったが、ナヂェージダの姿を見ると間
誤ついて出て行った。 ヒステリーの発作が過ぎると、ラエーフスキイは他人の寝台に....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
彼は別に法律に触れるようなことをしてる身に憶えないが、さりとて問い詰められては間
誤つくようなこともあるだろうし、またどんな嫌疑で――彼の見すぼらしい服装だけでも....
「秋深き」より 著者:織田作之助
斜眼は面と向ってみると、相当ひどく、相手の眼を見ながら、物を言う癖のある私は、間
誤つかざるを得なかった。 暫らく取りとめない雑談をした末、私は機を求めて、雨戸....
「古事記」より 著者:太安万侶
よりもまさつているというべきであります。そこで本辭の違つているのを惜しみ、帝紀の
誤つているのを正そうとして、和銅四年九月十八日を以つて、わたくし安萬侶に仰せられ....