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誤伝
「誤伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
誤伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ある。君はどう云う史料に従って、研究されるか、知らないが、あの戦争については随分
誤伝が沢山あって、しかもその
誤伝がまた立派に正確な史料で通っています。だから余程....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の軌道に沿うて運行すると仮定している。』プルターク(Plutarch)の著として
誤伝されている一書によると、アリスタルコスは、天を不動とし、地球はその軸のまわり....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
それにこころよくあいづちを打つ辻川博士をみて、世上で二人の不和を云々するのは全く
誤伝だとおもった。(しかし、これは私の浅薄なおもいちがいだった) 私たちの話は....
「伸子」より 著者:宮本百合子
う》人通りと酔漢の大声を伸子は窓の下に聞いた。 翌朝の新聞で、前日の報道は全く
誤伝であったことが判った。本当の報告は、十一日の早朝までに、無線電信で戦地から伝....
「量的と質的と統計的と」より 著者:寺田寅彦
であるが、しかしこういう簡単な、わずか一二行の文句で表わされた事はとかく誤解され
誤伝されるものである。いったいにこの種類の
誤伝と誤解の結果は往々不幸にして有害な....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
、新聞記事ではその研究者がその昔発見された事実自身を今日始めて発見したこととして
誤伝される場合もしばしばある。たとえば太陽黒点と日本の一部分のある特定の気象要素....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
圭《けい》の字音に拠《よ》って蛙をケイと読み損じて、巽《たつみ》の方の三足の蛙と
誤伝したのである。 熊野地方の伝説に、那智の妖怪一ツタタラは毎《いつ》も寺僧を....
「第四次元の男」より 著者:海野十三
をはっきり憶えている者はないであろう。この母の胎内から生れたのだというのは、単に
誤伝に過ぎない。故に、実際は、わたくしと同様四次元の生物でありながら、うっかりし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
せられた巻添えを食って、気の毒に佐造老爺が、与一兵衛にされてしまう。 誤解も、
誤伝も、慣れてしまえばあまり気にはならない。本来、捌《さば》けた気風《きっぷ》を....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ったので、ドッと笑う声がした。 いつの間にか敵は一人ではなく、大勢であるように
誤伝されたらしく、あそこの露路に五人居ましたぞ、勘兵衛殿のお長屋の塀に添って、三....
「江木欣々女史」より 著者:長谷川時雨
そういうことのないようにしてもらいはしたが―― 「ほんとの子ならばしかたがないが
誤伝て、いやなものねえ。」 白い袖の振りを、指輪の手でしごきながら話していたが....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
さんのお友達で、留学してやはった、大学の教師さんと夫婦になって――」 それは、
誤伝の
誤伝だった。あちらに長くいて、映画では東郷大将に扮《ふん》したという永瀬画....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
子の顔を見返していたが、はっと気がついたように、 「これはどうも失礼……なにかの
誤伝だったのでしょうな……それはそれは、さぞ、お待遠なこってしょう」 おだやか....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
もいっているそうである。 以上三つの天草島の瓜話は、あるものはすでに破片であり
誤伝であるかとも思われるが、共に喜界島の天上聟入、および信州小野村の瓜畠手伝の話....
「朝鮮の友に贈る書」より 著者:柳宗悦
私たちの渡鮮は藝術を通じて朝鮮を教化するためだと書かれている。しかしこれは全くの
誤伝に過ぎない。それは皮浅な眼で私たちの企てを解釈した報道に過ぎない。私には教化....