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誤算
「誤算〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
誤算の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
対する愛着は日を追うてまさるとも衰える様子は見えなかった。仕事のほうにも手違いや
誤算があって始めの見込みどおりには成功とはいえないが、葉子のほうに送るくらいの金....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
が私の言葉からなんらかの影響を被《こうむ》ったと想感したら、それは第四階級の人の
誤算である。第四階級者以外の生活と思想とによって育ち上がった私たちは、要するに第....
「愛撫」より 著者:梶井基次郎
ことを考えているのである! ところが、最近、ふとしたことから、この空想の致命的な
誤算が曝露《ばくろ》してしまった。 元来、猫は兎のように耳で吊《つ》り下げられ....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
かしら。きっと真相を知らない捜査官達は、死後経過時間が因《もと》で、とんでもない
誤算をやるにきまっているんです。ですから、兇行の時刻がそんな具合で三四時間も遡《....
「生きている腸」より 著者:海野十三
コに食事の注意をするのもそこそこに、入口に錠をおろし、往来にとびだしたのだった。
誤算 医学生吹矢隆二は、つい七日間も外に遊びくらしてしまった。 一歩敷居を外....
「人間灰」より 著者:海野十三
の上から湖面へ向けて撒かれたのです。しかし前の六回のときとは違って、二つばかりの
誤算が入ってきました。それは犯人のために、実に不幸な出来ごとでありました。 二....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
は後のこととして、主力艦を瞬時の裡に、三隻までも失った米艦隊は、やっと東洋遠征に
誤算のあったことを気付いた。と云って、此処まで来て引上げることは許されないことで....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ね。そこに私は、算哲博士の声を聴いたような気がしたのです」
「マア、とんでもない
誤算ですわ」と鎮子は憫笑を湛えて、
「あれは、算哲様の御作ではございません。威人....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
好が今福嬢の嗜好に適しないと考えたからなんだろう。――ところが、実行をしてみると
誤算が現われた。ねえ、思い当るだろう」 「……」 「心臓を盗まれた男というんで、....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
ぎる。矢張りモンパルナス裏のしょんぼりした寄席のボビノで開くべきであろう。これを
誤算したフランスの一映画会社が彼女をスターにして大仕掛けのフィルム一巻をこしらえた。しかしダミアはどうにも栄えなかった。....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
ろうという考え方は制作態度としてもイージイ・ゴーイングだし、実際問題としても必ず
誤算が生じる。 さて、こういうおもしろくない結果が何によつて生じてくるかという....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
きずみを当てて見ます。かかって見ると案外うまく行かないことがあります。さまざまの
誤算が出てきます。この時に「必ずよいものができる」というあの信念をすてたらもう駄....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
に方って毫釐の違算がしばしば何千万億の錯誤を来すと同様に、眼前の研究にもまた同じ
誤算がないとは限らない。数その物は確実であっても数を算出する運算の方式は必ずしも....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
そうだとすれば、それはいわば歴史理解の充分しみ透っていないことから生れた、思わぬ
誤算であるとともに、そうした異常らしい場所では、異常な人間気力の爆発を味いたいと....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
決定は仏教の真諦に相当するものであって、物の真実性を認めたものであります。決して
誤算がありません。この時の結合はもはや人智や意志の結合ではなくて、因縁の理による....