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誤訳
「誤訳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
誤訳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
調子で訳読した。それをまた毛利先生は、時々紫の襟飾《ネクタイ》へ手をやりながら、
誤訳は元より些細《ささい》な発音の相違まで、一々丁寧に直して行く。発音は妙に気取....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
質上海上用語が沢山出て来る。それをちゃんと検《しら》べて置かないと、とんでもない
誤訳をやりかねない。たとえば Cat's paw と云うから、猫《ねこ》の足かと....
「地球図」より 著者:太宰治
たの推量にひがごとがあっても、それは咎《とが》むべきでない、奉行の人たちも通事の
誤訳を罪せぬよう、と諭《さと》した。人々は、承知した、と答えて審問の席に臨んだ。....
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
からといって充分意識してやっているのであるから、詩法を知らぬ語学者から頭ごなしに
誤訳呼ばわりをされたくない。 ただ、学力の不足のためか、うっかりしたためにとん....
「読書法」より 著者:戸坂潤
ので、私には内容については全く何の意見も持てないが、仮に畠中氏の指摘した斎藤氏の
誤訳や悪訳が全部畠中氏のいう通りにしても、斎藤氏が次号の『思想』で与えている返答....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
局を設け、箕作博士に命じてフランスの商法、訴訟法、治罪法などを翻訳せしめ、かつ「
誤訳もまた妨げず、ただ速訳せよ」と頻《しき》りに催促せられたとの事である。箕作博....
「生ける人形」より 著者:寺田寅彦
って、その城郭の中だけに通用する芸術論を構成し祖述し、それが東洋に舶来し、しかも
誤訳されたりして宣伝されることもあるであろう。 四十年前の田舎の亀さんはやはり....
「襟」より 著者:ディモフオシップ
。これは諷刺の意を誤解せられては差支えるので、故意に原文に従わなかったのである。
誤訳ではない。....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
だが、普通之を不注意の結果に対する悔悟の足りなさに帰して、良心の問題としている。
誤訳は学的良心の欠乏として批難されたりするが、そうなると之は単に誤謬と云っては済....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
読してみる気になって第一頁から順々に読んで行った。原著の方は知らないのであるから
誤訳があろうがあるまいが、そんなことは分かるはずもなし、またいくらちがっていても....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ば原文に遠ざかるの憾みあり、その調和がなかなかむずかしい。殊に浅学の編者、案外の
誤訳がないとは限らない。謹んで識者の叱正を俟つ。 一、同一の説話が諸書に掲出され....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
衆の巷《ちまた》には既に多くの翻訳ができている。その各翻訳から一党派が生まれ、各
誤訳から一徒党が生まれている。そして各党派はおのれのみが唯一の正文を有していると....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
大名は、 「苦しゅうない、苦しゅうない」 最大|侮辱《ぶじょく》を最大敬礼とした
誤訳 翻訳というものはこうもできるものだ。しかしさらにはげしい翻訳の仕方もある....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
〕 な研究をなそうと志す人々は、ワルラスとパレートとの研究から始めねばならない。
誤訳なども多くあるかもしれないこの「純粋経済学要論」が、これらの人々にとっていく....
「それから」より 著者:夏目漱石
れるんだろう」 「なんぼ、僕だって、そう無責任な翻訳は出来ないだろうじゃないか。
誤訳でも指摘されると後から面倒だあね」 「仕様がないな」と云って、代助はやっぱり....