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「誦する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

誦するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自叙伝」より 著者:大杉栄
なはほんとうに涙を流して臥薪嘗胆を誓った。 僕はみんなに遼東半島還附の勅諭を暗誦するようにと提議した。そして僕は毎朝起きるとそれを声高く朗読することにきめてい....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
潜むの悲痛を描いて以て教えなければならぬ。今日以後の文人は山林に隠棲して風月に吟誦するような超世間的態度で芝居やカフェーにのみ立籠っていて人生の見物左衛門となり....
古狢」より 著者:泉鏡花
御堂に香水を奉仕した、この三十歳の、竜女の、深甚微妙なる聴問には弱った。要品を読誦する程度の智識では、説教も済度も覚束ない。 「いずれ、それは……その、如是我聞....
死者の書」より 著者:折口信夫
は、益々透きとおり、潤んだ目は、愈々大きく黒々と見えた。そうして、時々声に出して誦する経の文が、物の音に譬えようもなく、さやかに人の耳に響く。聞く人は皆、自身の....
最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
筆録せられたものに過ぎない。日本の歴史は、語部と言われた、村々国々の神の物語を伝誦する職業団体の人々の口頭に、久しく保存せられていた律文が、最初の形であった。こ....
良夜」より 著者:饗庭篁村
く無尽の涼味を貯えて人の取るに任すとは有難き事なりと、古人の作中、得意の詩や歌を誦するともなく謡うともなくうめきながら欄干を撫でつつ歩むともなく彳むともなく立戻....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
玉子の白味一つ。 今、スワンソン夫人に命令された給仕男は鸚鵡返しにその通り復誦する。これは朝飯の「カクテール」と呼ばれているものであって、美髪師「マダム・H....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
家達とは自らその信仰状態を異にする気の毒さはいう迄もない。 僕はかの観音経を読誦するに、「彼の観音力を念ずれば」という訓読法を用いないで、「念彼観音力」という....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
う。 「妙法蓮華経如来寿量品第十六自我得仏来所経諸劫数無量百千万億載阿僧祇。」と誦するのが、いうべからざる一種の福音を川面に伝えて渡った、七兵衛の船は七兵衛が乗....
式部小路」より 著者:泉鏡花
もに二人で他所ながらお伽をする気だ。 そうして貴下が、仏像の前で、その言行録を誦する経文だといった、悉い話を聞きましょう。 病人に代ってその人の意気の壮なの....
妖怪学」より 著者:井上円了
かして、その目前におよそ五、六尺を離れて他の一人粛然として端座し、口中に呪文を黙誦することおよそ五、六分時間にして、両手の棒、次第に動揺するを見る。暫時にしてそ....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
慣によりて、識覚有意作用の不覚無意作用に変じたる一例なり。また、人の書を読み経を誦するに当たり、そのはじめは心を用い意を注ぎてこれをなし、数回反復の後は口に任せ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
。ただ国教宗の家にては、食前に誦すべき文句あり。これを晩食のとき、食卓に対して口誦するを例とす。 宗派異なればその名目また異なり、ヤソ教の祭式に一杯のブドウ酒....
西航日録」より 著者:井上円了
本邦人同様に日本語を話すことを得。ことに日本の歌にその妙を得、音曲に和してこれを誦するに、いかなる日本人も一驚を喫せざるはなし。その天性、言語の才に富めるや実に....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、心にある間を志となし、言に発したのを詩となすというのや、『漢書』の芸文志に言を誦するのを詩というとあるなどがそれである。要するに日本語でいう所のうたうであって....