説得[語句情報] »
説得
「説得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
説得の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
ればならぬ、節婦でも火には焼かれるはずである。――彼はこう心の中に何度も彼自身を
説得しようとした。しかし目《ま》のあたりに見た事実は容易にその論理を許さぬほど、....
「死後」より 著者:芥川竜之介
いてもかまわないさ。俺《おれ》はもう死んでいるんだし、――」
僕は半ば僕自身を
説得するように言いつづけた。
「お前だってまだ若いんだしするから、そんなことはと....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に縁附けるほど惨たらしい事はねえ。お為ごかしに理窟を言って、動きの取れないように
説得すりゃ、十六や七の何にも知らない、無垢な女が、頭一ツ掉り得るものか。羞含んで....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
う彼らはたくさんな賠償金まで出してうわべだけでもユダヤ教理を承認するように無理に
説得しようと試みた。しかし彼はこの申し出を軽侮とともに一蹴したので、彼らはついに....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
からと言って訪ねて来た。これは後で間接に聞いたことであるが、実は父と相談して僕を
説得しに来たのだったそうだ。が、そんなことは少しもなしに、今でもまた折々訪ねて来....
「食魔」より 著者:岡本かの子
いったって――」鼈四郎はひょんな表情をして片手で頭を抱えるだけてあったが、伯母の
説得は間がな隙がな弛まなかった。「あなたも東京で身を立てなさい。東京はいいところ....
「海底都市」より 著者:海野十三
べんでもトロ族の暴民の前に姿を現わして、彼等をおどろかせ、そして彼らをどこまでも
説得するんだ。 「よォし、そんなに君がいうんなら、また二十年後の世界へ送ってやる....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
らしい神経衰弱にかかり、恐ろしい幻影に怯やかされているのであろう。 だが探偵の
説得は、効を奏しなかった。かの若紳士は、毛布の中から血だらけの手を出すと、自分の....
「火薬船」より 著者:海野十三
、時に利あらずして、雌伏の時代があったではないか」 サイゴン港 虎船長の
説得が、功を奏して、さしもの平靖号の若者たちも、別人のように、しずかになった。 ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
美に法悦するほど好いことはない。そこで、彼は自分の独自の人生観の真理をラザルスに
説得して、その魂をもよみがえらせることに自信ある希望を持っていた。この希望はあな....
「端午節」より 著者:井上紅梅
かった。まるで果実を見せびらかして猿を使うようなものである。それにある大教育家の
説得がはなはだ気に食わなかった。 「片手に書物を抱えて片手に銭を要求するのははな....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
のための幸福ではない乎と意中の計画通りを実行させようとした。が、口を酸くして何と
説得しても「※ンな考は毛頭ない、」とばかり主張って、相談はとうとうそれきりとなっ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
度毎に苦い顔をされたが、何遍苦い顔をされても少しも尻込しないで口を酸くして諄々と
説得するに努めたのは社中の弓削田秋江であった。秋江は二葉亭の熱心なるアドマヤラー....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
から、稲村隆一君とともに相撲部に手を引くように頼みに行った。ところが議論をつくし
説得しているうちに、稲村君の持っている鉄棒が問題になり乱闘に発展した。 やがて....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
の御懸念で、お見えになったのでございます。どうせ行く行くはこうなるのだからと、御
説得なすったそうで、綾子様としては文夫様にもすまないように思召しましょうし、第一....