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「読書人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

読書人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
盲人独笑」より 著者:太宰治
めて知った次第である。私一個人にとっては、ひどくもの珍しい日記ではあっても、世の読書人には、ああ、あれか、と軽く一首肯を以《もっ》てあしらわれる普遍の書物である....
新生」より 著者:島崎藤村
り支那《しな》語に移され、北新書局というところから出版せられた。自分の著作が隣国読書人の間に紹介せられたのも、それが最初の時であった。因《ちなみ》に、翻訳家とし....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
いう事が、精神生活に於ては尊いという風に考えられていた。 一体、思索の尊さは、読書人がそれによって、感激する場合のみである。何の感激も与え無い、陳腐にして、常....
ニイチェに就いての雑感」より 著者:萩原朔太郎
ツァラトストラ」の如きは、片手に註解本をもつて読まない限り、僕等の如き無識低能の読書人には、到底その深遠な含蓄を理解し得ない。「ツァラトストラ」の初版が、僅かに....
惜別」より 著者:太宰治
たのだ。薬店に聞いても、お百姓に聞いても、薬草取りに聞いても、年寄りに聞いても、読書人に聞いても、大工に聞いても、みな一様に頭を振るだけであった。最後に、祖父の....
文学における今日の日本的なるもの」より 著者:宮本百合子
と思う。そして先ず何が、今日一部の作家の自覚をそのように迄苦しめている文学と一般読書人の生活感情の疎隔を生じさせたのであろうかということを考えて見たいと思う。そ....
作家のみた科学者の文学的活動」より 著者:宮本百合子
意をひかれざるを得ないのは、一部の科学者をジャーナリズムに招き出したこの時期は、読書人の間に随筆が迎えられた時、内田百間氏が「百鬼園随筆」によって第一段の債鬼追....
今日の文学と文学賞」より 著者:宮本百合子
れはどんなものなのだろうかと、真に心にふれる作品をたずねて、あれこれと次々に買う読書人の、そういう不満の心持が逆に小説のうれる一つの動機になっているということは....
世代の価値」より 著者:宮本百合子
界的紛糾動乱の間に歴史の進化してゆく必然の水脈を見出してゆく手がかりとして、一般読書人のため、常識の整理のために執筆された。地球の生成からヴェルサイユ会議にまで....
先駆的な古典として」より 著者:宮本百合子
史・家族の歴史・近代社会の発生とその社会内における婦人の現実的関係を知ろうとする読書人にとって、疑いなく一つの価値ある文献を加えられたことである。 訳者富野敬....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
をしつつ全体としてはそういうものと対立するものとして純文学を云って居り、そういう読書人間の要求もありますが、純文学というものが川端の火の枕(「雪国」)でなければ....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
」 孔は顔を真赤にして、額の上に青筋を立て 「窃書は盗みの数に入らない。窃書は読書人の為す事で盗みの数に入るべきことではない」 そうして後に続く言葉はとても....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
生活はそういう風にして始められた。神経を痛める細字の書は悉く取りかたづけられて、読書人の日々の課業として仏典が択ばれた。かれは少年時より仏教については関心を持っ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ら、世間は春廼舎をのみ嘖々して二葉亭の存在を少しも認めなかった。二葉亭の名が一般読書人に知られて来たは公然その名を署した第二編の発行以後である。が、それすら世間....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
な難かしいものではない。ところが日本では昔から法科万能で、実務上には学者を疎んじ読書人を軽侮し、議論をしたり文章を書いたり読書に親んだりするとさも働きのない低能....