読破[語句情報] »
読破
「読破〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
読破の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
が、「さまよえる猶太人」を取扱った文献の数は、非常に多い。自分がそれをことごとく
読破すると云う事は、少くとも日本にいる限り、全く不可能な事である。そこで、自分は....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
、文科の研究室を見た。思いのほかにいい本がある。蚕が桑の葉を貪るように、片端から
読破してやるのだ。研究という点においては、決して東京の連中に負けはしないと、俺は....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
の医術にあった。彼が蘭語を学びたく思ったのも、それによって療術方薬に関する蘭書を
読破したいためであった。 従って、彼はターヘルアナトミアを、ある内通辞から示さ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
を与えられているところだった。その日の僕の仕事は、終日、和紙を綴じた部厚い書類を
読破することであった。僕はガランと広い部屋の片隅に席をとって、書類綴の表紙を開い....
「地球盗難」より 著者:海野十三
、この矢追村に休暇を送っていた大隅理学士の耳にも伝わった。 彼はその夏のうちに
読破しようと思って持って来たギブソンの「有史前に於ける生物発生論」という大冊の原....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、字を柯古といい、父の文昌が校書郎を勤めていた関係で、若いときから奇編秘籍を多く
読破して、博覧のきこえの高い人物でありました。官は太常外卿に至りまして、その著作....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
の方面で、多くのマインレンデルを読んでいる男に違いなかった。 数年前、ショオを
読破してショオに傾倒し、ショオがいかなる社会主義者よりもマルクスを理解していたこ....
「金属人間」より 著者:海野十三
。思うに、この二つの専門語を知るためには、これよりもまえに書いた、彼の他の論文を
読破《どくは》しなければならないのであろう。 それはともかく、かれの研究は生命....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
で好いものとおもうが、何せよ歌の数が四千五百有余もあり、一々注釈書に当ってそれを
読破しようというのは並大抵のことではない。そこで選集を作って歌に親しむということ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
りの汗牛充棟で、単に〈志怪の書〉だけでも実におびただしいのでありますから、容易に
読破されるものではありません。わたくしが今日の会合を思い立ちましたのも、一つはそ....
「風博士」より 著者:坂口安吾
の邸宅に忍び入ったのである。長夜にわたって余は、錠前に関する凡そあらゆる研究書を
読破しておいたのである。そのために、余は空気の如く彼の寝室に侵入することが出来た....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
チャンとちがって、彼はそれまで女というものを知らず、金瓶梅もチャタレイ夫人すらも
読破した形跡がないのだね。結婚初夜に新妻をモテナス何らの技術にも不案内であったそ....
「イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
めた時代でありますが、当時のモダンな人々について申しますと、彼らがどれほどの新聞
読破力をもつかということが、その人の人間学、世間学の深さをはかる標準となっていた....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
く事が出来ず、とうとう徹宵して竟に読終ってしまった。和漢の稗史野乗を何万巻となく
読破した翁ではあるが、これほど我を忘れて夢中になった例は余り多くなかったので、さ....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
漢文に指を染めぬものは余儀なく後塵を拝する外はないのである。而してこの漢文仏教を
読破するには日本の解釈に通ぜねば教義的解決は不可能であるといって差支えないのであ....