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「読者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
読者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
上っていた事であろう。当時、発表する意志も、発表する機関もなかった自分は、作家と
読者と批評家とを一身に兼ねて、それで格別不満にも思わなかった。尤《もっと》も、途....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
恐れ入りました。」
馬琴は黙ってまた、足を洗い出した。彼はもちろん彼の著作の愛
読者に対しては、昔からそれ相当な好意を持っている。しかしその好意のために、相手の....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
× ×
編輯者 それは蛇足《だそく》です。折角の
読者の感興をぶち壊すようなものじゃありませんか? この小品が雑誌に載るのだったら....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
ている。自分は原稿を頼まれたのを機会に、とりあえずこの話を書いて見ることにした。
読者にはむしろ迷惑かも知れない。
(大正十二年七月)....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
うだから、もう少し書く。松岡の手紙によると、新思潮は新潟《にいがた》県にまじめな
読者をかなり持っているそうだ。そうしてその人たちの中には、創作に志している青年も....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
?」
K君のお墓と言ったのは夏目先生のお墓だった。僕はもう半年ほど前に先生の愛
読者のK君にお墓を教える約束をしていた。年の暮にお墓参りをする、――それは僕の心....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
主筆 今度は一つうちの雑誌に小説を書いては頂けないでしょうか? どうもこの頃は
読者も高級になっていますし、在来の恋愛小説には満足しないようになっていますから、....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
です」と云った。本間さんさえ主張しないものを、僕は勿論主張する必要がない。まして
読者はただ、古い新聞の記事を読むように、漫然と行《ぎょう》を追って、読み下してさ....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
この間出した本の売れ口は?」
「不相変《あいかわらず》ちっとも売れないね。作者と
読者との間には伝熱作用も起らないようだ。――時に長谷川君の結婚はまだなんですか?....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
卵等の共犯は無期徒刑の宣告を受けたのである。お伽噺《とぎばなし》のみしか知らない
読者はこう云う彼等の運命に、怪訝《かいが》の念を持つかも知れない。が、これは事実....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
批評家を嘲《あざけ》ったものであります。こう言うことを広告するのは「文芸春秋」の
読者の頭脳を軽蔑《けいべつ》することになるのかも知れません。しかし実際或批評家は....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
《わた》って、紹介すると共に、二三、原文を引用して、上記の疑問の氷解した喜びを、
読者とひとしく味いたいと思う。――
第一に、記録はその船が「土産《みやげ》の果....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
…」 「何か御用ですか?」 「いえ、唯お目にかかりたかっただけです。僕も先生の愛
読者の……」 僕はもうその時にはちょっと帽をとったぎり、彼を後ろに歩き出してい....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
女なり。是等の男女はチエホフの作中にも屡その面を現せども、チエホフの主人公は我等
読者を哄笑せしむること少しとなさず。久保田君の主人公はチエホフのそれよりも哀婉な....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
徒にした。若し「泰ちゃん」も僕のようにペンを執っていたとすれば「大東京繁昌記」の
読者はこの「本所両国」よりも或は数等美しい印象記を読んでいたかも知れない。けれど....