読過[語句情報] » 読過

「読過〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

読過の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋日記」より 著者:原民喜
は大丈夫なのでしょうね、余計な心配をかけて済みませんでした、……)努めて無表情に読過そうとしたが、彼は底の方で疼《うず》くようなものを感じた。 こうした手紙を....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
と疾視競《にらめくら》したところはまず宜《よかっ》たが、開巻第一章の一行目を反覆読過して見ても、更にその意義を解《げ》し得ない。その癖|下坐舗《したざしき》での....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
の作であろう。この小説は五百が来り嫁した頃には、まだ渋江の家にあって、五百は数遍読過したそうである。或時それを筑山左衛門というものが借りて往った。筑山は下野国足....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
れたであろうと思われるのがある。それどころか十年前の物理学者ならばなんの気なしに読過したであろうと思う一句が、最新学説の光に照らして見ると意外な予言者としてわれ....
備忘録」より 著者:寺田寅彦
この詩人の午後の半日の精神生活の上に投げた影はわれわれがその文字の表面から軽々に読過するほどに希薄なものではなく、卑近なものでもなかったであろう。 この病詩人....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
出でている。ことに結句の、「浦隠り居り」などは、なかなか落着いた句である。そして読過のすえに眼前に光景の鮮かに浮んで来る特徴は赤人一流のもので、古来赤人を以て叙....
恐怖の季節」より 著者:三好十郎
て、作者の主観や観念である。舟橋や田村や丹羽や井上や石川や火野などの最近の作品を読過して最初に私に来るものは、彼等の持っている「人生観」みたいなものであって、彼....
百花園」より 著者:永井荷風
の新しきものよりも老人の身には心易く心丈夫に思われ、覚えず知らず行を逐《お》って読過せしめる所以《ゆえん》ともなるのであろう。この間の消息は直にわたくしが身の上....