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誰かある
「誰かある〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
誰かあるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「丹下左膳」より 著者:林不忘
刻も早くその秘密の地図を取り出したいものだと、にわかに興奮に駆られるようす。 「
誰かある。何か、この紙を剥がすものはないか」 ヘヤ・ピンではどうで……小姓が顔....
「カイロ団長」より 著者:宮沢賢治
り下のはない。ところがお前らは五銭より多く持っているやつは一人もない。どうじゃ。
誰かあるか。無かろう。うん。」 あまがえるは一同ふうふうと息をついて顔を見合せ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
う。 「待て!」とこの時頼正は、凛然として抑え付けた。「帰館する事|罷り成らぬ!
誰かある、湖中へ飛び入り灘兵衛の生死を見届けるよう!」 「…………」 これを聞....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
激のためだよ、義務観念に強制された愛からだよ、自分で自分に課した苦行のためだよ。
誰かある一人の人間を愛するためには、その相手に身を隠していてもらわなくちゃだめだ....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
かにさびたその銅貨ほどいまわしいものが、他に何かあるだろうか。それを拾い取る者が
誰かあるだろうか。 事実はこれでもう十分だ。あまりあるほどである。すべてそれら....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
見詰めていたが、 「聞きも及ばぬ化鳥のありさま。このまま見過ごし置くことならぬ!
誰かある射って取れ!」 「はっ」と返辞えて進み出たのは近習頭白須賀源兵衛であった....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
つの奇妙な事柄がその次にこの事件に生じた。目下の目的は、被告が、まだ逮捕されない
誰かある共犯者と共に、五年前の十一月のその金曜日の晩にドーヴァー通いの駅逓馬車に....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
くなって来た。彼は虚空を睨みながらふと考えた。 「妖怪の棲み家はかの天主閣じゃ。
誰かある。かしこへ駈け登って見とどけてまいれ。」 小姓どもは押っ取り刀ですぐに....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
痩浪人、船出の別宴によい肴じゃ、重喜がみずから血祭りにしてくりょう! 女中ども、
誰かある! 佩刀を取れ」 と、居流れた侍女たちを、鋭い眼で見廻した。 「お佩刀....
「三国志」より 著者:吉川英治
の下に、いけ図々しくも、人間なみな言を吐きちらすぞ」 「おのれよくも雑言を。――
誰かある、彼奴を生擒って、あの舌の根を抜き取れ」 文醜は、袁紹の旗下で豪勇第一....
「三国志」より 著者:吉川英治
も、ここわずか両三日のあいだだ。そのあいだ、この辺につないでおくのも足手まとい。
誰かある! こやつを西山の山小舎へでもほうりこんでおけ。曹操を破って後、鞭の百打....
「三国志」より 著者:吉川英治
いて、さんざん悪口を吐きちらすと、たちまち、怒面を朱泥のようにして、周瑜は、 「
誰かある、曹仁匹夫の首を引き抜け」 と叫び、自身も馬首を奮い立てて進まんとした....