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「誰が〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

誰がの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
馬琴は思わず、真面目な声を出した。 「もっと、もっとようく辛抱なさいって。」 「誰がそんなことを言ったのだい。」 「それはね。」 太郎は悪戯《いたずら》そうに....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
時なんだろう、和田がその芸者に遇《あ》ったというのは?」 「早まっちゃいけない。誰が和田なんぞをつれて行くもんか。――」 藤井は昂然《こうぜん》と眉を挙げた。....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》を鏤《ちりば》めた御机の上に、あの伽陵《がりょう》の笙と大食調入食調の譜とが、誰が持って来たともなく、ちゃんと載っていたと申すではございませんか。 その後《....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
いているのを見て、あの口の悪いメリメと云うやつは、側にいたデュマか誰かに「おい、誰が一体日本人をあんな途方《とほう》もなく長い刀に縛《しば》りつけたのだろう。」....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
て好いじゃないか?」 「お止し。生きているもの。生きているよ。」 「生きている?誰が?」 そこに長い沈黙があった。時計はその沈黙の中にも、休みない振子《ふりこ....
煙管」より 著者:芥川竜之介
》きやす。」 「質《しち》に置いたら、何両貸す事かの。」 「貴公じゃあるまいし、誰が質になんぞ、置くものか。」 ざっと、こんな調子である。 するとある日、彼....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
記者と一しょになって、いい加減な嘘を捏造《ねつぞう》するのではあるまいね。」 「誰がそんなくだらない事をするものか。僕はあの頃――屯《とん》の戦《たたかい》で負....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
た。兎の皮の耳袋《みみぶくろ》をした顔も妙に生き生きと赫《かがや》いていた。 「誰が轢かれたんだい?」 「踏切り番です。学校の生徒の轢かれそうになったのを助けよ....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
数馬の試合を致した時にも、行司はやはりわたくしでございました。」 「数馬の相手は誰がなったな?」 「御側役《おそばやく》平田喜太夫殿《ひらたきだいふどの》の総領....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
ないかと思いますよ」 「そんな傑作ですか? それはぜひ見たいものですが、いったい誰が持っているのです?」 「潤州《じゅんしゅう》の張氏《ちょうし》の家にあるので....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
ち》、去年水泳中に虎魚《おこぜ》に刺《さ》された東京の株屋の話をした。その株屋は誰が何と言っても、いや、虎魚《おこぜ》などの刺す訣《わけ》はない、確かにあれは海....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
へ又通りかかったのは、年をとった支那人の人力車夫です。 「おい。おい。あの二階に誰が住んでいるか、お前は知っていないかね?」 日本人はその人力車夫へ、いきなり....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
金曜夕の講演」というて、科学を通俗化するに非常な効があった。 この講演を何日に誰がして、何という題で、何を見せたか、ファラデーは細かく書きつけて置いた。これも....
親ごころ」より 著者:秋田滋
いちいち承知していた。石ただみのうえをこつこつと歩いて来る跫音を聴くだけで、もう誰が来たのか、ちゃんと解るようになってしまった。 見なれない顔が一つでも教会へ....
狂人日記」より 著者:秋田滋
、この私が、これまで、罰してきたすべての殺人犯人達と同じことをしているかどうかを誰が知ろう。 八月十日―― 誰が知ろう。私を、この私を、誰かが疑うだろうか。....