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誰何
「誰何〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
誰何の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「去年」より 著者:伊藤左千夫
行った。 日の暮れ暮れに某氏の門前に臨んでみると、警察官が門におって人の出入を
誰何している。門前には四十台ばかりの荷車に、それに相当する人夫がわやわや騒いでお....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
い光線が帆村の横顔を照した。警官が、さっきのぼって来た押入の天井裏から、こちらを
誰何したのだった。 「僕は……」 「文句があるなら後でいえ。サッサと降りて来ない....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
おう、吉奈軍曹。至急偵察を命ずる。放送局裏に、不可解の部隊が集結しているぞ。突入
誰何しろ。友軍だったら、短銃を二発射て。怪しい奴だったら、三発うて。避難民だった....
「蠅男」より 著者:海野十三
れない。近づくに従って、一隊の警察官が停留場の前に佇立しているのを認めた。丁度|
誰何した警官があったのを幸い、彼を案内に頼んで、その一行に近づいた。 なるほど....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
は完全であった。焼跡住民の士気弛緩は慨かわしい。 帰宅までに二度、お巡さんから
誰何された。リュックの中の品物について訊問を受ける。それが大鯛であり、防空頭巾を....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
な人型をした真黒な塊が、突然横町から転がり出したのである。法水がほとんど反射的に
誰何すると、その人型は竦んだように静止して、しばらくは荒い呼吸の喘ぎが聴えていた....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
かれた。 辻々では歩哨が、装テンした銃を持って往き来する支那人を一人一人厳重に
誰何した。 僅か、一昼夜半の間に、市街は、すっかりその風ボウをかえてしまった。....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
っているのが見えて、心がヒヤヒヤいたしましたが、眼にとめて駕籠を見送るばかりで、
誰何するものとてはありませんでした。平然と歩いて行ったからでしょう。 こうして....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
地ニ横仆ワル。林ヲ出デ、奥庭ニ入リ、廻廊ヲ巡リ巨塔ノ前ニ現ル。衛兵三人、槍ヲ擬シ
誰何ス。二人ヲ斃シ、一人ヲ捉ヘ、威嚇シテ以テ東道トナス。巨塔ハ即チ牢舎ニシテ、地....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
鼓の音色が変わったのだ。で、庭へ出て見たのさ。五六人の武士がいるではないか。で、
誰何したというものだ。すると一人が切りかかって来た。で、一刀に切り仆したところ、....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
その啼声と羽搏きとが聞こえた。 と、ふいにこの時|茂の陰から、「誰だ!」という
誰何の声が聞こえた。 三人はハッとして顔を見合わせた。と、すぐに悲鳴が聞こえ、....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
黒い変面異相」 「なかなかもって。それも反対、色の白い好男子でござった」 「一応
誰何なされたであろうな?」 「左様、互いに挨拶致した」 「ははあ、挨拶? ではご....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ち取らなければならないし、もしまた人違いなら、無断に襖をあけ、抜き身をさえ構えて
誰何した無礼を、これまた、本名を宣って詫びなければならないのだから……) 頼母....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
は知悉していた。
で、気を呑まれた心持ちから、恢復するや突き進んで、その行列を
誰何した上で、小次郎をこなたへ取り戻すか、きかない時には行列の人数を、切り払った....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
り過ぎた。交番の中では、若い少年巡査がきょとんとした眼で、こちらを見たが、べつに
誰何しようともしなかった。 次郎と三郎はほっとした。そして、 「一体どこイ連れ....