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調合
「調合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
調合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
にも変り出した。従って彼は林檎を見る度に、モオゼの十戒を思い出したり、油の絵具の
調合を考えたり、胃袋の鳴るのを感じたりしていた。 最後に或薄ら寒い朝、ファウス....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
末だとおぼえています。日本橋新乗物町に舟見桂斎という町医者がありましたが、診断も
調合も上手だというのでなか/\流行っていました。小舟町三丁目の病家を見舞って、夜....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
もう一つ、かのうわばみと戦うときに振りまく粉薬というのも、やはりその物に何物かを
調合するのであった。たといその秘密をくわしく知ったところで、他人にはしょせん出来....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
さきにおそろしい毒をつけたまま、相手の身体にぐさりとつき刺すのであった。その毒の
調合をしたのは、机博士自身であったから、その猛毒については誰よりも博士が一番よく....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
紅が流れたかと思う鼻の尖の赤い男、薬箪笥の小抽斗を抜いては、机の上に紙を並べて、
調合をするですが、先ずその匙加減が如何にも怪しい。 相応に流行って、薬取も多い....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
んだ……」 「ああ、そうか。いや、それにしても四十幾時間も睡るわけがない。わしの
調合によれば、せいぜい前後十時間ぐらいは睡るように薬の濃度を決めたつもりじゃった....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
保養にとて来ていたが、可恐く身体を気にして、自分で病理学まで研究して、0,などと
調合する、朝夕検温気で度を料る、三度の食事も度量衡で食べるのが、秋の暮方、誰も居....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
また一年まわってくるまで、どうにもしてあげられないところだったよ。では、くすりを
調合してあげるから、それをもって、日の出る前、おかの所までおよいでいって、岸に上....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
にあきれもした。 むかし道修町の薬問屋に奉公していたことがあるというし、また、
調合の方は朝鮮の姉が肺をわずらって最寄りの医者に書いてもらっていた処方箋を、そっ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
に召抱えられるまでは、叔父|真家桂斎という医家の許に同居していたので、草根木皮の
調合に一通り心得が有るところから、籠城中は主に負傷者の手当に廻っていた。 それ....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
ついて入った。 恐ろしく長い酒場の台。客は四五人しか居なかった。丁度カクテール
調合筒を振り終えた給仕長らしい男。 ――東洋人の奥さん、旦那にはもう翡翠の簪でも....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
ればなり。指痛(腫物にて)をうれえしきこれが薬法をたずねしに、某の木と某の草とを
調合して服用すべしと教えたり。されど、その草の名を明言せざりしをもって、再三これ....
「西航日録」より 著者:井上円了
るも、また度量の狭隘に過ぐるの失あり。もし、日本人の気質七匁にシナ人の気質三匁を
調合しきたらば、必ず東洋の人物のやや完全なるものを得べし。 シナ市街に茶店食店....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
い仕事にとりかかったのかね?」 「そうなんだ。ぼくは下宿にかえると、さっそく薬の
調合にかかったんだ。そこへ前からぼくのことをうさんくさい目でみていた下宿のおやじ....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
みを述べるのにも、何かいそいそとしていた。おたかは何かと病気の口実を設けて、薬の
調合をして貰いに行った。薬剤師は口髭を生やした顔の相好を崩した。それがいやらしい....