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調子を取る
「調子を取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
調子を取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「永日小品」より 著者:夏目漱石
差《さし》に都合が悪い。際《きわ》どく踏《ふ》み応《こた》える時には、腰から上で
調子を取るために、手に持ったものを放《ほう》り出《だ》したくなる。やがて手桶の尻....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
》と云う菓子に似た竹の片《きれ》を二つ入れて、それをかちかちと打合せながら、歌の
調子を取る。趣向はスペインの女の用いるカスタネットに似ているが、その男の顔を見る....
「明暗」より 著者:夏目漱石
いぎわ》から斜めに門の上へ長い枝を差し出しているので、よそ目《め》にはそれが家と
調子を取るために、わざとそこへ移されたように体裁《ていさい》が好かった。
その....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
「おつかまりなさい」 「いえ大丈夫」と女は笑っている。手を出しているあいだは、
調子を取るだけで渡らない。三四郎は手を引っ込めた。すると美禰子は石の上にある右の....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ともなく
静かに眠り夢をみる
ただ食べる夢男の夢
特別残酷な笑い事の夢
耳の奥で
調子を取る慾
びいんびいんと弓を鳴らす
茶碗つぎの中国人の夢
走って行って追い....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
廻転するのが、初めは何だか変だったが、次にはそれが一のリズムとなった。とんと一つ
調子を取るようにぐるりと廻って、それから真直に平らな歩調となり、向うの隅でまたと....
「三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
、彼の口から出る言葉は、立派な文章をなしていた。原稿を読んでいるかと思えるような
調子を取ることが多かった。このために、彼の思想にではなく彼の人柄に触れたがる聴衆....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》から親しげにリーリと呼ばれていた)――は、やや自由な態度の女だった。儀式ばった
調子を取ることができなかった。上の地位の人々をも馴《な》れ馴れしく呼びかけた。す....
「霊感」より 著者:豊島与志雄
すし、娘がげんに病人の一人なのです。 A女は当惑しまして、なるべくぼんやりした
調子を取ることにしました。 「どんなところか知りませんが、女ざわりの地所ではあり....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
なテンポで、弾き始められました。 が、私の言いたいのは、その瞬間だったのです。
調子を取るように、一弾き一弾きペダルに力を込めて前後に身体を揺すっていられた先生....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
仕様がない。」 わたくしは女の言葉遣いがぞんざいになるに従って、それに適応した
調子を取るようにしている。これは身分を隠そうが為の手段ではない。処と人とを問わず....