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調律
「調律〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
調律の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、壁を刳形に切り抜いて、その中に収められてある。三十三個の鐘群はそれぞれの音階に
調律されていて、すぐ直前の天井に吊されているが、それが鍵盤と蹈板とによって……そ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
たり、手を揚げて叫んだりする。壮んな歓呼の中に、復た御輿は担がれて行った。一種の
調律は見物の身に流れ伝わった。私は戻りがけに子供まで同じ足拍子で歩いているのを見....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
ろうか。この心の三助に対しても私は取捨の自由を与えらるる事を希望するものである。
調律師 種々な職業のうちでピアノの
調律師などは、当人にはとにかく、はたから見て....
「糸車」より 著者:寺田寅彦
していた。そこにはあのゆるやかな抑揚ある四拍子の「子守り歌」の代わりに、機械的に
調律された恒同な雑音と唸り音の交響楽が奏せられていた。 祖母の紡いだ糸を紡錘竹....
「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
現することは、どうしても理解も我慢も出来なかった。詩を書くと、類の少ない「言葉の
調律師」であった彼も、ソヴェト農業というものの本質についての理解のしかたは、昔の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
茂太郎自身としては方円の器《うつわ》に従いながら、詩興そのものは相変らず独特で、
調律と躍動そのものは、例によっての出鱈目です。誰もそこまで干渉して、新たに作曲を....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
なは口をそろえて、こんないい音は聞いたことがないといいました。それは、あたらしく
調律されて、調子がととのっていました。ああ、なんというすばらしい音色だったでしょ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。彼は前音楽長として受けていたわずかな年金のほかに、なお音楽を教えたりピアノの
調律をしたりして、いくらかの金額を手に入れていた。そしてその大部分を嫁のルイザに....
「広場のべンチ」より 著者:豊島与志雄
それから次第に急に、ドンドン、と続き、それが三度ばかり繰り返されるのである。何の
調律もないただ単調なだけのその音が、へんに十内の心に泌みた。 その太鼓の音は、....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
と愚痴をいいながらも諦めて、それを大眼にみていた。 さるピアニストが或るピアノ
調律師へ金を融通したところが、期日をすぎても返さぬばかりか、日を重ねるにつれてだ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
れへ通う、梢と梢で谺を打って、耳近に、しかも幽に松風が渡って響く、氷の糸のような
調律である。 そこへ――振袖の女が、上の丘へ、帯から上、胸を半身でくっきりと美....