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「調書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

調書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は、同時に院長も異様な急死を遂げている。とにかく、斯んな田舎警察にも、万代不朽の調書を残してやってくれ給え」 その時、三十恰好のずんぐりした男が入って来ると、....
党生活者」より 著者:小林多喜二
の名宛で(私たちの間だけで呼ばれていた名で)レポが入ってきた。――自分は「白紙の調書」を作る積りであること、私は一切のことを「知らない」という言葉だけで押し通し....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ない、市庁の見学に赴くこととなった。でも、この検事局にいて、また部厚い和紙綴じの調書の上に涎の宝石を作るよりは助かるので、云われるとおり出かけることにした。 ....
空中墳墓」より 著者:海野十三
。 「松井田!」 聞きとれ難いほど低い声で、こう相良は唸った。私はポケットから調書をとり出すと彼の耳のところで、しっかりした言調を選んでよみ聞かせてやった。 ....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
。 しかし探偵小説に趣味を持っている私としては、諸新聞の記事を聚め、又警視庁の調書も読ませて貰い、なるほど証拠不充分、乃至は証拠絶無の事実を合点することが出来....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
」と云って、側の|書類綴りを手繰り寄せ、著名な事件ごとに当局から送ってくる、検屍調書類の中から、博士の自殺に関する記録を探し出した。 「いいかね――」 ――....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
は静かに支倉を観察した。そうして傍にあった神楽坂署から被告人と共に送って来た戸籍調書と前科調書とに眼を落とした。直ぐその傍には証拠物件が堆高く重ねてあった。小塚....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
この上は、リバプールを通って、ブルートの監獄へいき、そこに残っている彼の素姓調書を見るより外なしと考えた。 十時間の後、彼はリバプールにいった。その夜は、....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
則違犯があるのですよ。」 警視長官は笑いながら先手を打って唄うたいの反則事件の調書を見せようとした。ドュフランはそれをまあまあと押えて唄うたいの窮状をくわしく....
独房」より 著者:小林多喜二
判所へ呼び出されて、予審判事から検事の起訴理由を読みきかせられた。それから簡単な調書をとられた。 「じゃ、T刑務所へ廻っていてもらいます。いずれ又そこでお目にか....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
名をとっていた。むささびが、梢から梢へ身を移す如く進退が敏捷であったからである。調書で見ると白状している罪科は、十数件に余っている。窃盗が、十件あまりと、スリが....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
相当の根拠のあることを発見するものだ。 勿論、僕は足下に対して、単にこの材料の調書を提供するに過ぎない。之を小説風に潤色して、更に読者の前に提供するのは、即ち....
火夫」より 著者:カフカフランツ
ときには、ほとんどたえず歯で小さい音を立てているほうの役人が、同僚に口授して何か調書に書き取らせている。 窓ぎわの書きもの机には、背中をドアのほうに向けて、小....
」より 著者:カフカフランツ
いたのですが、彼の部下がやってきて、毎日、村の有力者たちの喚問が紳士荘で行われ、調書を取っていきました。たいていは私の味方で、ただ、何人かが頑固な態度を見せまし....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
眠っている! 神は眠っている!」そう叫ぶ一語一語が聞き取られ書き留められた。裁判調書はいう「神は眠るというがごとき言葉は異端の表現なり。聖書も教会も神は人類をみ....