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「調法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

調法の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
……差俯向いて物寂しゅう、 「私が自分では、どうも計らい兼ねますの。それには不調法でもございますし……何も、妹の方が馴れておりますから。」 「いや、貴女でなく....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
―ちょうどお銚子が来た。女中さん、お酌をしてあげて下さい。」 「は、いえ、手前不調法で。」 「まあまあ一杯。――弱ったな、どうも、鶫を鍋でと言って、……その何で....
温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
った。ただ「僕は困る」と言われた。と、私は、「いえ、悪くさえいわねば好いから……調法なものだ位いに書いて下さい」と頼んだ。そんな風で、いわばこちらで書き上げた物....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
いうタイトルを得たことに、妙なちぐはぐな気持がした。 担任の主任教授は、復一を調法にして世間的関係の交渉には多く彼を差向けた。彼は幾つかのこの湖畔の水産に関係....
食魔」より 著者:岡本かの子
さから、趣味の技芸なら大概のものを田舎初段程度にこなす腕を自然に習い覚えた。彼は調法な与四郎となった。どこの師匠の家でも彼を歓迎した。棋院では初心の客の相手役に....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
撥音で、 ……博多帯しめ、筑前絞り―― と、何とも言えぬ好い声で。 (へい、不調法、お喧しゅう、)って、そのまま行きそうにしたのです。 (ああ、身震がするほど....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
。」 杯をずいとさして、 「一つ申上げましょう、お知己に……」 「私は一向に不調法ものでございまして。」 「まあ一盞。」 「もう、全く。」 「でも、一盞ぐらい....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
下らないこと、くどくど申上げまして、よくお聞き遊ばして下さいました。昔ものの口不調法、随分御退屈をなすったでございましょう。他に相談相手といってはなし、交番へ届....
星女郎」より 著者:泉鏡花
の柄を片手に持換えながら、 「思いがけない処にござった。とんと心着きませんで、不調法。」 と一揖して、 「面です……はははは面でござる。」 と緒を手首に、可....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
らなかったので、あながち義理知らずばかりでもなかった。 ひと口にいうと馬琴は無調法者だった。口前の上手な事をいうのは出来なかったよりも持前の剛愎が許さなかった....
式部小路」より 著者:泉鏡花
へん、馬鹿にしねえや。何でえ、」 と、下唇を反らすのを、女房はこの芸なしの口不調法、お世辞の気で、どっかで喧嘩した時の仮声をつかうのかと思っていると、 「何て....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
たために躓いたのでござりませぬ。石は好い心持でいる処を、ぶつかったのは小児めの不調法。通りがかりには挨拶をしましたが、仔細あって、しばらく、ここへ参るまいと存ず....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
でいたのは笑止の沙汰です。早速、使い出してみよう。使い出してみるとなるほどこれは調法です。 法華経見宝塔品という経文の中に、多宝塔(この宝塔の中には如来全身有....
耳香水」より 著者:大倉燁子
思わなかったもんですから。今までにだって――。あの部屋が空てる時はまた貸しちゃあ調法していたんですからね。それにそのお客さんは逗留する人じゃないんです。夕方の五....
情鬼」より 著者:大倉燁子
て居りました。テキパキした方だものですから。それに頭がよくって、語学が達者なので調法だと申して居りました」 「じゃ何かお考えがあって、特に目をかけていらしたとい....