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「調節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

調節の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
いつかもう十間ほど離れていた。僕はやっと体を※《ね》じまげ、オペラ・グラスの度を調節した。同時に又突然向うのボオトのぐいと後《あと》ずさりをする錯覚を感じた。「....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
酷な慰安の相手に一人の女人を使い兼ねぬのである。 結婚 結婚は性慾を調節することには有効である。が、恋愛を調節することには有効ではない。 又....
或る女」より 著者:有島武郎
りに薄黒い暈《かさ》のできたその顔は鈍い鉛色をして、瞳孔《どうこう》は光に対して調節の力を失っていた。軽く開いたままの口びるからもれる歯並みまでが、光なく、ただ....
或る女」より 著者:有島武郎
を少しふくらましたので顎《あご》の張ったのも目立たず、顔の細くなったのもいくらか調節されて、そこには葉子自身が期待もしなかったような廃頽的《はいたいてき》な同時....
星座」より 著者:有島武郎
ていた。その時計はよく狂うので、あまりあてにはならなかったけれど、反射鏡をいかに調節してみても、クロモゾームの配列の具合がしっかりとは見極められないので、およそ....
想片」より 著者:有島武郎
の人にとって物的環境は単なる物ではなく、実に生命の一要素である。物的環境が正しく調節されることは、生命が正しく生長することである。唯物史観は単なる精神外の一現象....
千年後の世界」より 著者:海野十三
天井の高い十畳敷の部屋ぐらいの広さだ。そこにベッドもあれば、冷凍機械もあり、温度調節器もあり、ガス発生器とか発電機とか信号器とかいろいろの機械がならんでいる。ま....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
る。潤色(elaboration)を欲すると共に創造を欲する。平安は既存の事体の調節的持続であり、進歩は既存の事体の建設的破棄である。潤色は在るものをよりよくす....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
は急に頭脳が冴え返ったのを覚えました。僕は直ぐ様ローカル・オスシレーションの方を調節して見ました。カップリングを静かに変えて見ました。グリッド、リークを高めてみ....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
の面《おもて》の前後に叩きつけて、スピードのかわるのを、人体にちょうどいい程度に調節する。 それでも、かなりのスピードが出ていた。雲の海というところは、やや黒....
怪星ガン」より 著者:海野十三
らのびあがって、下にぶらさがっている三根夫の息づかいや、顔色を見ながらスピードを調節していったんだが、マスクも酸素管もない三根夫にとっては、この降下も楽ではなか....
狂人日記」より 著者:秋田滋
きもの? 生きものとはなんであろう。そのもの自体の中に運動の原動力と、その運動を調節する意志とを有する、魂があるもの。それは何ものにも係りを持たない。その足と大....
画室談義」より 著者:上村松園
は十四あります。 明り障子とガラス障子の二枚戸にしたのは陽光の明暗強弱を適度に調節するためで、それらの三方の外には一尺幅ほどの小さい外廊が廻らしてあり、それに....
四十年前」より 著者:内田魯庵
互に相反撥し相牽掣する。が、官僚はイツでも保守的であって、放縦危激な民論を控制し調節するが常である。官僚が先へ立って突飛な急進の空気を醸成して民間から反対された....
北穂天狗の思い出」より 著者:上村松園
。馬の背の片側にお炬燵のやぐらを結えつけ座蒲団を敷いて私がはいり、一方には重さの調節をとるようにいろいろの荷物をつけている、自分ながら一寸ほほえましい古雅な図で....