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談柄
「談柄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
談柄の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
、
「おや、あれは君、辰子《たつこ》さんに似ているじゃないか。」と、意外な方面へ
談柄《だんぺい》を落した。
「そうかね。僕はそうとも思わないが。」
俊助はこう....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
優者であると云う事が、何となくこの老人に対して済まないような心もちがした。彼は、
談柄《だんぺい》を、生活難に落して、自分の暮しの苦しさを、わざわざ誇張して、話し....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
が不安である。歩きながら考えると、いまさき庭のうちで、野々宮と美禰子が話していた
談柄《だんぺい》が近因である。三四郎はこの不安の念を駆《か》るために、二人の
談柄....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
エレクトロンやプラグマチズムや将たイプセンやニーチェやトルストイの思想が学者間の
談柄にのみ限られてる今日、欧米首都の外は地理的名称さえ猶だ碌々知られていない今日....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
いろの談の孰れが真実だか知らないが、要するに会津守護は当時の諸将の間の一問題で好
談柄で有ったろうから、随《したが》って種々の臆測談や私製任命や議論やの話が転伝し....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
流の落語滑稽を以てせんとして、その種類を集めたらばいかなるものを得《う》べきや。
談柄《だんぺい》必ず肉体の区域に入りて、見苦しく聞き苦しきものは十中の七、八なる....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
、季節中の魅惑たる花合戦、花馬車競技も、もはや旬日の間に迫ったることとて、衆口|
談柄《だんぺい》は期せずしてその品隙《とりざた》に移って行く。 花馬車品評会と....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
神託を受け、婦妻の遠征の良人を追慕し、夢の情感によりて妊孕せし等、おおむね架空の
談柄たるに過ぎず。これ、自ら欺き人を欺き、夢を利用し、自らためにするところのもの....
「車上の春光」より 著者:正岡子規
とくさ》が植えてある。塵《ちり》一つ落ちて居ない。 夕飯もてなされて後、燈下の
談柄《だんぺい》は歌の事で持ちきった。四つの額《ひたい》は互に向きおうて居る。 ....
「それから」より 著者:夏目漱石
《しずか》な場所を選んで行くうちに、何時か緒口《いとくち》が付いて、思うあたりへ
談柄《だんぺい》が落ちた。 平岡の云う所によると、赴任の当時彼は事務見習のため....