諒闇[語句情報] »
諒闇
「諒闇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諒闇の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、半蔵は寝衣の上に平常着を引き掛けたままで見送った。 ちょうど、その年の三月は
諒闇の春をも迎えた。友人らの発って行った後、半蔵は店座敷に戻って東南向きの障子を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ませんでした。」 その時、久兵衛は染め物屋らしいことを言い出した。昨年の三月、
諒闇の春を迎えたころから再度の入洛を思い立って来て、正香らと共にずっと奔走を続け....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
どる夥しい砂浜を作ったり、地上の花を羞じ凋ます荘厳偉麗の色彩を天空に輝かしたり、
諒闇の黒布を瞬く間に全天に覆うたり、摩天の白銅塔を見る間に築き上げては奈翁の雄図....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てどうか知らん。例年は正月の十一日は大法会《だいほうえ》があるはずなのが、去年は
諒闇《りょうあん》のことがあったり、天下多事の際、遠慮してこの秋まで延ばされたも....
「源氏物語」より 著者:紫式部
なくて御実家住まいがほとんどなかったことがおしのばれになった。 年が変わっても
諒闇《りょうあん》の春は寂しかった。源氏はことさら寂しくて家に引きこもって暮らし....
「源氏物語」より 著者:紫式部
、童女、下仕えの女房幾人かの衣服を、華奢《かしゃ》に作って御寄贈になった。去年は
諒闇《りょうあん》で五節のなかったせいもあって、だれも近づいて来る五節に心をおど....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
う、あらゆるものは黒一色に塗りかえられてしまいました。 かくて上下憂愁のうちに
諒闇の春を迎え、昭和二年の御代となりました。 文雄は正月四日神戸を出帆して南米....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
流し 平取橋の長きを渡る 崩御の報二日も経ってやっと聞く 此の山中のコタンの驚き
諒闇の正月なれば喪旗を吹く 風も力のなき如く見ゆ 勅題も今は悲しき極みなれ 昭和....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
、云えばスットトンで通やせぬ……。 と云う唄もあるではないか。 今日から街は
諒闇である。 昼からたい子さんと二人で、銀座の方へ行ってみる。 「私ね、原稿書....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。――当然、鎌倉の柳営でも、数日間は、音曲は停止され、それからしばらくの間も、
諒闇の喪が令されていたからである。 が、初秋が来て。 おちこち、里祭りの多い....