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論拠
「論拠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
論拠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文放古」より 著者:芥川竜之介
心頭に発した怒火を一生懸命に抑《おさ》えながら、とにかく一応《いちおう》は彼女の
論拠に点検を加えようと決心した。下《しも》に掲《かか》げるのはこの文放古を一字も....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
に背《そむ》くものと感じ、本来男女の関係は全く自由なものであるという原始的事実に
論拠して、従来の道徳に何処《どこ》までも服従すべき理由とては無いのだと考えたとす....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
く思われた。そうして彼はこの事実をもって、地球は静止し宇宙の中点にあるという説の
論拠としたのである。しかしその後、天文学者等はこの期待された現象を発見しようとし....
「海底大陸」より 著者:海野十三
こるであろう。しかるに、そんなことのあった話もきかぬところを見れば、ベント博士の
論拠は成り立たぬ」 クイ老教授はベント博士の弱点をついた。 「では、クイ教授。....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
どうでもいいが」と熊城はいったん忌々しそうに舌打ちしたが、坐り直した。「しかし、
論拠のあるものなら、一応は聴かせてもらおう」
「勿論あるともさ」法水は無雑作に頷....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
とく調和論派ならんや、王権を弁護するもの豈にことごとく専制論派ならんや、ただその
論拠の如何を顧みるのみ。仏国大革命の後に当たり、政論の分派雑然として生ず、当時か....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
した。 「死因のピストル説が、心臓麻痺に変っても、君の土居三津子を容疑者とするの
論拠はすこしもゆるがないというんだね」 検事は、すこし硬くなって、訊き返した。....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
指でふれるものよりも、さらに真実で、さらに実際的なものがある。そういう都合のいい
論拠のもとに、ジョヴァンニはベアトリーチェを信頼した。それは彼の深い莫大な信念か....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
証明が挙がらなかったのを見ても明らかだろう。だが、却ってそれが、この場合逆説的な
論拠になるとも云えるんだ。そして、何処に隠れていたかと云う事は、あの当時の夢殿が....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
か明言しているが、その人が今日の唯物論を学んでいた訳はないので別に学術上の確かな
論拠は持っていないはずである。しかしその人にとっては、それは実感であって、動かし....
「審判」より 著者:カフカフランツ
を助け出しますよ」 「どうやろうとおっしゃるんですか?」と、Kがきいた。「どんな
論拠も裁判所にはむだだ、とほんの少し前ご自分で言われたばかりじゃありませんか」 ....
「河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
ふぐを恐ろしがって食わぬ者は、「ふぐは食いたし命は惜しし」の古諺に引っかかって味覚上とんだ損失をしている。その
論拠の価値をきわめもせずに、うかうか古諺に釣り込まれ惜しくも無知的判断から、いや....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
逡巡性をもっとも雄弁に物語る証拠が、巧みに隠蔽されたばかりでなく、逆にベエコンの
論拠を肯定するものと化したのである。伯爵がいかに躊躇逡巡したか――最後の瞬間まで....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
、太閤さんと現市長との間に密接な関係があるという説が、有力になってきた。 その
論拠はこうである。大阪市の恩人である豊臣太閤の認めている賀川市長は、何人が推薦す....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
土着の民族、すなわち国津神系統の民族と、世の落伍者とであろうと思います。これにも
論拠はありますが、今は略します。ともかくも先住土着人の多くいた中に天孫民族が渡来....