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「論断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

論断の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
のような意見と共に、蟹の猿を殺したのも多少は流行の危険思想にかぶれたのであろうと論断した。そのせいか蟹の仇打《かたきう》ち以来、某男爵は壮士のほかにも、ブルドッ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
長く仕揚げまで見て居ろと云い、爾して一方では私へ婚礼を迫りました、初めの中なら無論断りましたけれど、斯うまで彼と共に悪事へ深入りをしては最う断る事は出来ません、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、伸子の失神を犯人の曲芸的演技とする点に綜合されてゆくけれども、しかし、公平な論断を下すなれば、依然として紙谷伸子は、ただ一人の、そして、最も疑われてよい人物....
「蓄音機」より 著者:寺田寅彦
ない事はない。この二つの場合のどちらが蓄音機のレコードに適するかを一般的概念的に論断するのは困難ではあるまいか。 蓄音機が完成した暁に望み得られることのうちで....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
根源が南洋にある事を論証し、従って国民祖先の大部分もまた南洋から渡来したものだと論断しようとするものである。この学説の当否についてはもちろん種々の議論があるであ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、外套を脱ぐと言い出した。そして、その弁解として、この部屋は熱帯性の怪物であると論断した。実際、室内は、万国寝台会社の心づくしのために、まるで赤道下の貨物船の釜....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
少くも其年は萩がいまだ咲いていたのであろう。気温の事は現在を以て当時の事を軽々に論断出来ないので、即ち僻案抄に、「なべては十月には花も過葉もかれにつゝ（く？）萩....
「切捨御免」より 著者:坂口安吾
ているにも拘らず、首実検が終ると共に、容疑薄れる、とくる。その非知性的なること、論断の軽薄なること、まことに、呆れ果てたる有様である。 警視庁側が、七十人の刑....
「明治開化　安吾捕物」より 著者:坂口安吾
中の奴さ。周信め、小娘をあやつる名人だから、女中めが惚れてるせいだよ」 明快な論断である。そこでその女中の話を訊いてみると、 「三月十五日の夕方でした。すこし....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
のない商法にたよって人気作家に注文が集中する。その犠牲になったような林さん。こう論断して、特に大新聞以外の小資本出版の特性が必然的に流行作家を追いまわす結果を生....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ム、日本の易断所などで二、三年前から予言めいたことをやりつけてることで、論証的に論断しても、予言は予言である。 むしろ現代においては、論証的思弁的でない予言は....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
を得ざるなり。 蓋し論者のごとき当時の事情を詳かにせず、軽々他人の言に依て事を論断したるが故にその論の全く事実に反するも無理ならず。あえて咎むるに足らずといえ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
って差支えはちっともないのです、それに白山。――麻布からは大抵の苦労じゃない、勿論断る法はありません。玄関さきの座敷へ通させ、仕事場の小刀をおいて出て逢いました....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
関野君が高麗尺・唐尺の関係から、今の建築物を以て大化以前の設計にかかるものなりと論断せられたるの一事は、当時往々にして斯道学者間の傾聴するところとなり、今におい....
「雨」より 著者:織田作之助
遊廓創立二十周年記念日のことであるし、何んぞえゝことあるやろと登楼をすゝめた。勿論断ったが、十八にも成ってと嘲けられたのがぐっと胸に来て登楼った。けちけちしなは....