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論結
「論結〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
論結の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
ければならぬ破目になっていたところを、世話する人があって天辰へ嫁いだのだった。勿
論結納金はかなりの金額で、主人としては芸者を身うけするより、学問のある美しい生娘....
「明暗」より 著者:夏目漱石
んていう気は全くなかったのです。たといどんな事情だろうと結婚が成立さえすれば、無
論結構なんですから」
三十
それでも座は白《しら》けてしま....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
日本文学の傾向とならねばならんとは速断であります。またこの傾向が絶体に正しいとも
論結はできにくいと思います。一本道の科学では新すなわち正と云う事が、ある程度にお....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
に、何か威丈高な態度で、金属のケイスから、両切りを一本ぬいてふかしていた。 「無
論結婚の取り決めでしょうと思いますが、それについて何か……。」 「いや、それもあ....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
るい。切棄てても思想は※には、花火線香も爆烈弾の響がするかも知れぬ。天下泰平は無
論結構である。共同一致は美徳である。斉一統一は美観である。小学校の運動会に小さな....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
らぬ程、青年男女は「結婚」というものの権威を信じていないことも事実なのである。無
論結婚という形式は好い華かなものだが、その反面には忍ぶべからざる苦痛と気づまりと....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
のあまり紐のついた片眼鏡を眼瞼から下へ落し、「家内を烏天狗に渡さないですむなら勿
論結構この上なしですがね、しかしかの脅迫状にはちゃんと断り書がしてありまして気に....
「モスクワ日記から」より 著者:宮本百合子
の産院は無料だ。 その産院を、現実にこの眼で見学したくてやって来たのだ。 「勿
論結構です」 奥から看護婦が白い上っぱりをもって来てくれた。チビの自分には長く....
「昨今の話題を」より 著者:宮本百合子
色体の問題であることを私達は知っている。染色体はそれを包蔵する細胞の健康状態と勿
論結びついた関係にある。互に、夫は妻を強度のヒステリーと呼び、妻はその夫を性格破....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
ルジョア)アカデミズムとブルジョア・ジャーナリズムとに於ける――だがこの二つは無
論結び付き合うことを忘れない――ブルジョア社会科学に対峙しているのである。夫がこ....
「思い出すかずかず」より 著者:宮本百合子
、長年風雨に打ち叩かれた建物よりは、新らしい、高い、ハイカラーな校舎を持つ方が勿
論結構である。お目出度い。けれども、私、或はそれより以前に幾年かの間彼処に馴染ん....
「或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
お前の側に引張り込むものか。僕はまだそれほど精神的に堕落はしていないつもりだ。勿
論結果から見れば、僕はお前に何と云われたって仕方ないけれど、初めから破廉恥な計画....
「カントと現代の科学」より 著者:戸坂潤
ということのために過ぎない。何れも同じ因果的な土台の上に立つと云わねばならぬ。勿
論結果を惹き起こす Verursachung などという概念を用いるならば二つの....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
文を以てして、一屋無余などと言うが如き、仰山な書き方をしたものに外ならぬとの事を
論結せられたのである。なるほど補闕記にはこの庚午火災の事実を以て、太子御存生中の....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
山集って一つの塊をなしているもののことであって、その一つ一つの結晶そのものは、勿
論結晶の定義通りに原子の配列が規則正しいのであるが、全体としては無定形に近い構造....