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論鋒
「論鋒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
論鋒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
な光をたたえながら、アイロニカルな微笑を浮べている。その眼がまた、妙に本間さんの
論鋒《ろんぽう》を鈍らせた。
「成程《なるほど》、ある仮定の上に立って云えば、君....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
派は今の大隈伯を戴きて改進党を組織せり、しかして二派ともに時の政府に向かいてその
論鋒を揃えたり。ここにおいてかの折衷民権派たりし福地氏は明らかに政府の弁護者とな....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
大議論が女流の口より出来らんとは 余が怯まんとする色を見て細君は更に又力強き新
論鋒を指向て「夫で無ければ第一又老人の左の手に血の附て居たのが分ら無くなッて来ま....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
するか、という質問である(『東朝』一九三五年八月二十五日付)。 なる程政友会の
論鋒は相当鋭いようだ。この処政友会は甚だ得意のように見える。美濃部博士もどうやら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い伏せられた腹癒《はらいせ》に、先方の知識の薄弱なところをねらって、オットセイで
論鋒を盛り返そうとするのかも知れない。 「ねえ、番兵さん、牛はあんなに他人(?)....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
吉は俄に坐り直した。 「長くお邪魔してしまった……。ではその時までに、こちらも、
論鋒を研いておきますよ、ははは……。」 有吉はも一度室の中を見廻して、悠揚たる....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
すぎたと感じていた。しかし彼女はクリストフの訓戒が癪《しゃく》にさわった。そして
論鋒《ろんぽう》を転じて言った。善良さを云々《うんぬん》するのは訳もないことだ。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
検事殿」にその「みごとなる弁舌」を祝し、次にできる限りの答弁を試みた。しかし彼の
論鋒《ろんぽう》は鈍っていた。地盤は明らかに彼の足下にくずれかけていた。
十 ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
に猛烈な論争をやったことが、興奮と感激とをもって語られた。 「じっさい、大沢君の
論鋒は鋭かったよ。痛快だったね。」 「やつらがいきり立てばいきり立つはど、大沢君....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
州流の戦法のように隙間なく槍の穂尖を揃えてジリジリと平押しに押寄せるというような
論鋒は頗る目鮮ましかった。加うるに肺腑を突き皮肉に入るの気鋒極めて鋭どく、一々の....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
ある、邦人にして独逸語を以て独逸人の前で演説したのは余を以て嚆矢とすというような
論鋒で、一々『国民新聞』所載の文章を引いては、この処筆者の風※彷彿として見はると....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
nsk Malerkunst(『日本絵画論』)と題する小冊子を著しぬ。文辞佳麗|
論鋒《ろんぽう》鋭利にしてしかも芸術的感情に富みたる完全なる好著なりしが、惜しむ....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
の下に、所謂非再建論に対して素人の無鉄砲なる駁論を発表したのであった。しかもその
論鋒が甚だ鋭利にして、文辞辛辣を極めたものであったが為か、図らずも当時の学界に一....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ための、最後の藁だった。彼はノリス説に対して呶罵を浴びせかけるとともに、ひょいと
論鋒を変えて――あとで彼自ら呟いていうに、これは容易な、ほとんど不可避的な
論鋒転....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
明治二十二年八月著者 しるす 政教子、一日机により新紙を読むに、天下の
論鋒ようやく進みて政教の版図に入り、舌戦、筆闘、壇上やや穏やかならざる事情あるを....