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諜者
「諜者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諜者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
云った。かれは下っ引の源次という桶職であった。 「この下っ引というのは、今でいう
諜者のようなものです」と半七老人はここで註を入れてくれた。「つまり手先の下をはた....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
し奴素直に出て来るかしら。何か旨い口実があるかね」 「そうだね、岸本とか云う君の
諜者はどう云う契約だったんだ」 「あれは
諜者と云う訳じゃないのだ。僕に鳥渡恩を着....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
がばれて召し捕られることになっても、友達だけは助け出さねばならぬ。おっと、また、
諜者《ちょうじゃ》の奴が、出て来たぞ。今度は何をいやがるのか?
淋しい淋しい、....
「海底都市」より 著者:海野十三
間も、博物標本室の、象《ぞう》の剥製《はくせい》標本の中から、のこのこと出て来た
諜者《ちょうじゃ》がいたからね、わしの教室だって、決して安全な場所ではないんだ」....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。 かねて謀計を喋合せた、同じく晩方|遁げる、と見せた、学校の訓導と、その筋の
諜者を勤むる、狐店の親方を誘うて、この三人、十分に支度をした。 二人は表門へ立....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まだよくはわからず、これに嘱する人もくわしくは説明しませんでした。スパイである、
諜者である、という名よりは、詩仙堂の隠者になぞらえる方が聞きよくもあるし、当人の....
「暗号数字」より 著者:海野十三
営利専門のものもあるし、情報通信のもの、経済関係のものなどと、ずいぶんいろいろの
諜者が活躍をしていた。時には同士討もあって面白いこともあった。 およそ相手方の....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
間、小者なら、こちらは、同心、加役《かやく》。……定廻り、隠密、無足《むそく》、
諜者《ちょうじゃ》。……下ッ引まであわせると五百二十人。藤波は、死んでしまったわ....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
せてやれば沢山だ。 この時、揚幕より走り出して来る仲間姿の男。天狗組より江戸へ
諜者として入り込ませてあった士である。無言で走って本舞台へ。 隊二 (これを認....
「三国志」より 著者:吉川英治
和睦をすすめに来たな。天子のご都合はよいか知らぬが、おれには都合が悪い。誰かこの
諜者をくれてやるから、試し斬りに用いたい者はいないか」 すると、騎都尉の楊奉が....
「三国志」より 著者:吉川英治
は、初めから秘密に計を抱いているので、そこでは黄蓋と同心の甘寧、※沢などが、敵の
諜者たる蔡和、蔡仲を巧みにとらえて、わざと酒を酌み、遊惰の風を見せ、そしていかに....
「三国志」より 著者:吉川英治
づかずにいたのである。 「司馬懿は、洛陽へ出ずに、長安へ向うようです」 新城の
諜者は、各地で耳へ入れてきた情報を、いちいち孟達へ報じていた。 「初めは、洛陽へ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
。 二人とも、人なきものと安心して、つい鬱を吐いていたらしいが、たとえ放免筋(
諜者)でなくても、ヘタな人間に聞かれると、いつか密告されていて、後日忘れた頃に引....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
免どもはいつか、弁ノ殿がここにお潜みのことまで偵知したらしく、日頃から居る地元の
諜者もみな挙げて、ここの出屋敷のぐるりを見張っておりまする」 「なに、ここをも?....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
において、秀吉が後詰をなすぞ。城中との連絡のとれるまで、怺えていよ」 秀吉は、
諜者を放って、城中の尼子一族を、こう励ました。――けれと高倉山と上月城との間の谷....