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諦め
「諦め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諦めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
味をごまかすために、彼は人の為めに社会の為めに義務を果し、献身の行いをしたという
諦めの心になる。そしてそこに誇るべからざる誇りを感じようとする。社会はかくの如き....
「星座」より 著者:有島武郎
》ったが、案外平気なので、おっかぶせて言葉を続けた)相手かな……相手になれないと
諦める気ばかり先に立つのです。おぬいさんの前に出ると、このガンベもまったく前非《....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
表情が少しでも変るのを見逃してはならないような心持がしているのである。 罪人は
諦めたような風で、大股に歩いて這入って来て眉を蹙めてあたりを見廻した。戸口で一秒....
「橋」より 著者:池谷信三郎
からしゃっとこ立ちをして街を歩いてやろうかと思っています。 問。被告のその気持は
諦めという思想なのか。 答。いいえ違います。私は彼女をまだ初恋のように恋していま....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
であろう。 「勿体のうございます。」と、神に謝するがごとくにいった。 「その意で
諦めねえ。おい、そう泣くのは止せ、弱虫だと見ると馬鹿にするぜ、ももんがあ。」とい....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
民子も決して恨んではいやしまい。何もかもこうなる運命であったのでしょう。私はもう
諦めました。どうぞこの上お母さんも
諦めて下さい。明日の朝は夜があけたら直ぐ市川へ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
る。 おとよは省作と自分と二人の境遇を、つくづくと考えた上に所詮余儀ないものと
諦め、省作を手離して深田へ養子にやり、いよいよ別れという時には、省作の手に涙をふ....
「錦紗」より 著者:犬田卯
っぽを向いたが、無論あきらめてしまったわけではなかった。いや、考えれば考えるほど
諦めきれず、これからもう一度探して来ようと思っていたところだったので、「どうせ、....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
ほどがある。」 「俺はもう請願するたびに面白くねえ思いするばかりだから、あっさり
諦めてますがね。」 「うむ、まアそれもそうだな。人間、なんでも
諦めが肝心だって、....
「米」より 著者:犬田卯
た。 「そうだ、酢だとか蒟蒻だとか言っている場合じゃねえ。俺らもはア、すっぽりと
諦めて明日は植えっちまアんだ。」さきにおばこ節を口誦んでいた一人の青年も、それに....
「明日」より 著者:井上紅梅
は返されぬものくらいのことは知っているから、この世で寶兒に逢うことは出来ぬものと
諦めて、太息を洩らして独言をいった。 「寶兒や、わたしの夢に現われておくれ、お前....
「健康と仕事」より 著者:上村松園
やっと直ったが、もともと仕事に無理をして来て自分の体を劬ってやらなかった報いだと
諦めたが、それからというものは体の調子がちょっとでもいけなかったり疲れたりすると....
「縮図帖」より 著者:上村松園
かな」と思った。 そのとき永年住みなれた画室の焼けるのは仕方のないことで不運と
諦めるが、さて気になるのはこの縮図帖であった。 私は何よりもまず縮図帖を全部一....
「無題抄」より 著者:上村松園
いこと、どうしても、そこへ想い到らないことが度々ありました。そのようなときでも、
諦めすてずに、一途にそれの打開策について想をねり、工夫をこらしてゆけば、そこに天....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
は、心ならずも嘘をつかねばならなかった。私は全身に熱い汗をかいた。ここですべてを
諦めてしまえば、これまでここに入りこんだヘボ密偵と同じことになる。私の頭の中には....