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諧和
「諧和〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諧和の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
しれない。細胞と細胞とが Sexual union に融合するときの「音楽的なる
諧和」であるかもしれない。 思えば私は長い間淋しい不安な荒んだ生活をしてきたの....
「作品のよろこび」より 著者:宮本百合子
もするものであるが、歌・詩は、自己の均衡の上に築かれていて自身の諸部分のあいだに
諧和を求めるもの、従って歌は人間の救われている状況の建築を表現し、強く直立してい....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
やいたということだ。 自分の姿態と、影と、心持とを、花のもつそれらと交錯させ、
諧和させようとする試みは、多くの人が花を自分の好みにねじ曲げるようにするそれとは....
「図書館に生きる道」より 著者:中井正一
定かではないが、漲っている深い秩序にあっと驚き、その中に、溶け入り、ともに秩序に
諧和し、それと一つになり、力がぬけ、それに打ち委す心持ちのことである。 この宇....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ない。しかもその成し遂げた蹟を見るに、そこには人文の中心に向って奏でられる微妙な
諧和が絶えず鳴り響いている。朽ちせぬ瓊琴の調である。これこそ真にその中を得たるも....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
画にしても「源氏物語絵巻」の如きは「つくり絵」と謂われる胡粉ぬり重ねによる色彩の
諧和豊麗を志している。もともと天平弘仁の彫刻そのものが既に色彩美を十全に発揮した....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
途を期待し、そこに善良な、博大な、そして愛も、欲求も、知能も、音楽的に精化された
諧和ある人間を待ち設ける心地がいたしました。私はこの一週のあわただしきなかにも暇....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
仏蘭西印象派の画人ら初めて北斎がこれらの板画を一見するや、その簡略明快なる色調の
諧和を賞するのみならず、あたかも当時彼らが研究しつつありし外光主義の理論と対照し....
「院展遠望」より 著者:和辻哲郎
。そこに現われたのは写実によって美を生かそうとする意図ではなく、美しい色と線との
諧和のために、自然の内からある色と線とを抽出しようとする注意深い選択の努力である....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
現われている少数の大きい腕である。この交響楽が、人の心を刺戟し得る各個の音とその
諧和をもって――すなわち何らかの情緒を暗示せずにはいない一々の手とその集団から起....